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3年生が引退して初の試合、練習も抜かりはなかった。全力を出した。全くサボってないし、みんな真面目に練習してきた。なのに、あっさり負けた。勝って、3年生には安心してもらいたかったのに。
終わった後、帰る準備をしている間、1年生は泣いていた。2年生も悔しいと言う顔していた。俺も泣きそうだった。でもここで俺が泣いたら、誰がこいつらをまとめるんだ。
二口 「はーい!切り替えて!俺達は全力を出したんだ。それにさっき、鎌先さんが言ってたろ?伸びしろしかないって。明日からまた練習して次は絶対勝とう!」
そう言うとみんな真剣な顔で頷いてきた。
二口 「青根、悪りぃ便所行ってくるからここ頼む。」
青根 「コク」
黄金川 「二口先輩泣きませんでしたね。」
作並 「うん」
青根 「二口は人の前ではあまり泣かない。特に主将になってからは。」
女川 「二口が泣くのは…きっとあの人の前か1人になってから。」
二口 「くっ…くっそぉ…」
我慢していた涙が溢れてきた。やっぱり俺が主将なんて無理だった。小原が主将だったらもしかしたら勝てたかもしれない。練習だって抜かりはない。なのに、あっさり鉄壁は崩れた。
茂庭 「あれ?二口?」
ずっと追いかけてきた人の声だ。こんな泣き顔を見たらこんな主将なのかとガッカリさせてしまうかもしれないと急いで涙を拭いた。
二口 「茂庭さん…」
茂庭 「お疲れ二口」
二口 「すいませんでした。あんなあっさり負けて。」
茂庭 「そんな事気にしてたの?負けるには別に恥ではない。まぁ悔しいけどね」
二口 「俺が主将でよかったんですか…」
茂庭 「当たり前だろ?任せられるっておもったよ」
二口 「俺は…まだ主将っていう実感ないです。茂庭さんが居たからこその鉄壁だったのかも」
茂庭 「お前、そんなネガティブだっけ?」
二口 「は?」
茂庭 「お前はもっと明るくて、生意気だろ?」
二口 「そうですね」
いつまで立ち止まってるんだ。もうこの人達は居ないんだ。もっとしっかりして…
茂庭 「確かに俺達は引退したけど、お前が後輩って事は変わらない。頼っていい。」
二口 「あ…りがとう…ございます」
やばい…泣きそう。でも堪えろ。せめて茂庭さんが居なくなるまで…
二口 「茂庭…さんそろそろ戻んなくていいんすか?鎌先さん達待ってますよ…」
茂庭 「いやーだってさ大事な後輩が泣きそうなのにほっけないだろ」
二口 「‼︎別に泣きそうじゃ…」
実際さっきまで泣いてたしそんな事思ってたら茂庭さんが俺を抱きしめてきた。
茂庭 「泣いていいよ。大丈夫だから」
二口 「ヒック…鉄壁…崩した。くっ悔しい…主将だから…しっかりしなきゃなのに…」
茂庭 「うんうん」
茂庭さんはずっと聞いてくれて、落ち着くまでずっと抱きしめてくれてた。
その時やっぱり思った。この人には敵わないって