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11 - 正面突破

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2023年08月24日

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《第十一話 正面突破》

「バゴーーンッ!!」

石レンガでできた建物の中に、大きな音が響き渡った。

「あーあ、本当に正面から行くんだね。」

ヨーラが呆れながら言った。

「仕方ないだろ!これぐらいしかないし!」

アルレイドが足元の欠片を思い切り蹴って言った。

「何が起きた!?」

しばらくすると、大勢の慌てた足音と、飛び交う声が近づいて来た。

「こっからが本番だぜ!」

「あーもう!本当にわからないよ!?」

アルレイドは右手を扇子を持つような形にし、ヨーラは物陰に隠れた。

「イメージ!」

アルレイドは大きな声で唱えた。

次の瞬間、手元が一瞬白く光り、次の瞬間には、右手に、先の鋭くなったあの杖が握られていた。

「どうして魔法が使えるんだ!?」

こちらに走って来た人たちは全員驚いていた。

「どうしてって…、ここが外だからじゃねーか?」

アルレイドは不敵な笑みを浮かべた。アルレイドが立っているのは外の地面だ。

「ええい、もうどうなっても知らん!取り押さえろ!」

偉そうにしている、目と口が三日月形に裂けた仮面をつけた男性が叫んだ。

次の瞬間、何人もが一斉にアルレイドに飛びかかった。逃げ場は無いように見える。

しかし、アルレイドはそれをかわし、杖の平たい部分でなぎ払った。

「時間稼ぎにもならないじゃねーか。」

全員を倒し終わると、アルレイドは建物の中に入り、仮面の男性の方に歩いて行った。杖は消えない。

創造の魔法は、物体が作られた時点で一度魔法が消えているため、作られた物は特殊な魔法を使わないと消えない。杖が消えなかったのは、この建物内で魔法を使うことはできなくても、創造物を消す特殊な魔法がかかっていなかったのが原因だ。

「来るなっ!」

仮面をつけた男性は後ずさりした。

しかし、アルレイドは素早く杖で男性の仮面を真っ二つに割った。

「久しぶりだな、出張はもうないのか?」

アルレイドはニヤッと笑った。

「……フハハハハ、仮面では誤魔化せないという事だな。」

男性も笑った。前に列車で会った老紳士だ。

老紳士はまた後ずさった。

「アルレイド!離れて!」

アルレイドの倒した人たちを縄で縛っていたヨーラが叫んだ。

「もう遅い!」

老紳士は笑いながら言った。手にはガトリングガンを持っている。

老紳士は引き金を引いた。激しい騒音とともに、辺りは一瞬で煙に包まれた。

「これで邪魔者はいなくなったな!」

老紳士は声高らかに笑った。

「やっぱりだめですね…貴方は…油断は禁物ですよ…」

煙の中から誰かの声がした。

煙が晴れた。かと思った瞬間、その中から何かが飛び出した。それは素早く老紳士の間合いに入り、老紳士の体を遠くへ蹴飛ばした。老紳士は一瞬で気絶した。

「ありがとな!ヨーラ!」

アルレイドはヨーラに駆け寄った。

あの瞬間、ヨーラはとっさにシールドをつくったのだ。

「別に…私にも弾が当たるし…」

ヨーラの仮面は、この建物で魔法が使えるような仕組みになっていたらしい。

「早く行こう。多分腰抜けはみんな逃げた。」

ヨーラは牢屋の場所まで案内しようとした。

「私は外から行く!だから地図描いてくれないか?」

「…何で?」

「そのうちわかるって!」

アルレイドはニヤッと笑った。アルレイドなりの考えがあるらしい。



「バゴーンッ!」

牢屋中に大きな音が響き渡った。

「アリシール!迎えに来たぜ!」

壁に空いた穴からアルレイドが入って来た。

「やっぱりアルレイドだったんだね。ダイナマイトとか壁に響いてうるさいのなんの。」

思ったより冷たいアリシールだ。

「いいじゃねーか!別に!」

アルレイドは叫んだ。

「アルレイド!私のお姉さん向こうだから!ちょっと来て!」

建物内から来たヨーラも叫んだ。

「あれ誰!?仮面!?」

「アリシール!後で説明する!その前にちょっと手伝ってくれないか?」

アルレイドはアリシールの手を引いて走った。



「誰!?」

少女は物音がした方に向かって言った。

「姉さん?…私!ヨーラだよ!」

「ヨーラ…?本当にヨーラ…?」

少女とヨーラは嬉しそうに泣いていた。

「良かったな。ヨーラ。」

アルレイドは二人を見て言った。

「良かったな。 じゃないよアルレイド!手伝って!!」

アリシールは振り下ろされた鈍器を避けながら言った。

「しゃーねーな…、お前ら!覚悟しろ!」

そう言って、アルレイドは大勢の残党に向かって行った。

あの姉妹が外に出るまでの間、二人は足止めを任されたのだ。



「助けてくれてありがとうございました。」

ヨーラの姉、リディアは、二人に頭を下げた。

「どうって事無いぜ!良かったなヨーラ!」

「うん!今までありがとう!アルレイドも良かったね!」

ヨーラはニッコリと笑った。

「セルディアとガレットは逃がしちゃったけどね。」

アリシールが言った。

「あいつらはぜっっったいに見つけてコテンパンにしてやる!」

アルレイドが叫ぶように言った。

「あのさ、アルレイド!私も仲間に入れて!」

ヨーラが言った。

「お姉さん助けて、せっかくまた一緒に暮らせるのに、いいの?」

アリシールは目を丸くして言った。

「いい!」

ヨーラは真剣な眼差しで言ったが、その後心配そうにリディアの方を見た。

「いいよ。私はコドカヌで待ってるから。」

リディアは少し寂しそうに笑って言った。











────────あとがき的な何か────────

読んでくださりありがとうございました。

これを公開していたのは約1年前なので語彙力や画力が現在よりもありませんが、 再編なしで一言一句当時のまま投稿し直させていただきました。

不完全な作品として終わってしまったので、ストーリー構成などを一新してリメイク作を書こうと思っています。

今後も夕闇をよろしくお願いいたします。


画像

(当時描いたイラストです)↑

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