テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「桜川くん、ちょっといいかな」
部長の声に、フロアが凍りついた。
案内されたのは、窓のない狭い会議室。そこには人事担当の役員も座っていた。
「単刀直入に聞く。ネット掲示板や週刊誌のリーク窓口に、君の私生活に関する書き込みが相次いでいる。……例の、日比谷という男との関係についてだ」
役員が突きつけてきたのは、雨の中、私と光が並んで歩いている写真だった。
画質は悪いが、裸足の私と、私の肩に手を置こうとしている光の姿がはっきりと写っている。
「彼は……日比谷くんは、ただの隣人です。昨日は、ストーカー化した元交際相手から助けてもらっただけです」
私は努めて冷静に答えた。光の名前が、こんな薄汚い会議室で汚されるのが耐えられなかった。