テラーノベル
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放課後。
部活の声が響く校庭を横目に、咲はカバンを肩にかけて昇降口へ向かった。
そのとき、スマホに亮からメッセージが届く。
《今日、バイトで遅くなる。悠真が迎えに行くから、一緒に帰ってこい》
画面を見た瞬間、心臓が大きく跳ねた。
外に出ると、門の前に悠真の姿があった。
私服に着替えた彼は片手をポケットに入れ、風に前髪を揺らしている。
「……妹ちゃん」
軽く手をあげる声は、昨日までより少しだけ近く感じた。
咲はうまく返事ができず、ただ頷いて彼の隣に並んだ。
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