注意事項⚠️
・knkz
・空想リスナー
・他のライバー
・トラウマ表現
「じゃあこのミニゲーム、負けた人は──勝った人から頭ポンポンな!」
「……おい、誰がそんな罰ゲーム決めたんだよ」
「えー!葛葉くん、ノリ悪いなあ〜?」
わいわいと賑やかに進むコラボ配信。男ライバー5人が集まり、視聴者もコメントで盛り上がっていた。
葛葉は、画面の中で笑っていた。いつもの調子で、軽口を叩いて。
けれど、笑いの奥で、汗がじっとりと背中を伝っていた。
(大丈夫、大丈夫、今日は配信だし、企画通りに……やればいいだけだろ)
──自分にそう言い聞かせていた。
「はい!負けたの葛葉くん〜、○○くんから頭ポンポンな!」
「……っ」
○○が、無邪気に手を近づけてくる。悪意なんてひとつもない、ただの配信上のリアクション。
でも──その手が近づくにつれ、葛葉の喉が音を立てて詰まった。
近い、来る、やだ、やめろ、ちがう、ちがう、俺は……っ
「──っ、……や、やめ、ッ……!!」
突然、葛葉が椅子から立ち上がった。
「おい、葛葉くん……? だいじょ──」
「さわんな!!やめろ、やだ、やめろ……っ、やめてくれって……ッ」
マイクが拾ったのは、震え声と、強く乱れた呼吸音。
彼の瞳は虚ろで、焦点が合っていない。何かから逃げるように後ずさりし、テーブルに手をぶつけても、それにすら気づかない。
コメント欄がざわつく。「大丈夫!?」「え、怖い怖い」「ほんとにヤバいやつ?」
共演ライバーたちも凍りついた空気の中で戸惑う。──そのとき。
「葛葉!!」
叶の声が、配信に入った。
次の瞬間、画面の外から、叶が駆け寄ってくる。事前に通話だけで参加していたはずの彼が、実際にスタジオへ来ていたのだ。
「っ……叶……?」
葛葉が、小さく呟いた。怯えた瞳が、唯一“知っている光”を見つけたように揺れる。
「大丈夫、大丈夫だよ……僕だよ、葛葉。叶だよ」
「……っ……たすけて、……こわい……」
その場に膝をつき、過呼吸で浅くなる呼吸の中、葛葉は肩を抱えたまま震えていた。叶はゆっくりと手を伸ばす。
「触っていい?……嫌だったら言って」
「……叶、は……いい。……叶は、だいじょうぶ」
震える声。だけど、叶の手がそっと肩に触れた瞬間、その震えが、ほんの少しだけ止まった。
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配信は、そのまま急遽中断された。
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配信後、静かな時間
暗い部屋の中、ソファにうずくまった葛葉の隣で、叶がそっと水を差し出す。
「……ごめん、また……」
「謝ることじゃないよ。僕、気づいてやれなかった」
「……いや、お前、来てくれてたろ……」
葛葉は俯いたまま、ぽつりと続けた。
「……他のやつに触られそうになるだけで、息できなくなるのに……。
叶にだけは……平気だった。なんでかは、わかんねぇけど……おまえだけは……平気だった」
叶は黙って、彼の肩にもう一度そっと触れた。
「それはきっと、僕が“触れていい場所”にいられるように、ずっと隣にいたからじゃない?」
葛葉は、ようやく少しだけ息を吐いた。泣いてはいなかったけれど、その目はじんわり赤く滲んでいた。
「……ありがとな、叶。……ほんと、おまえがいてくれて、助かった」
「これからもいるよ。怖いときは、僕に頼って。……触れても、大丈夫だからね」
コメント
1件
/ ガチめにkzhさんにトラウマを植え付けたクソmobを○したくなりました くろのわてぇてぇすぎます 今回も神すぎます 続きが楽しみです