テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
遅筆すぎて申し訳ないです。
お読みいただきありがとうございます。
また長めなので区切りますね⋯。
―――
真夜中に鳴るインターホン。初めは恐る恐る応答したのを覚えている。しかし、もう既に慣れてしまって、軽く確認しただけで無防備に玄関の扉を開いて招き入れてしまう。
ラフな服装かつ解いた髪を揺らすのを見られても、もうなんとも思わない。部屋だってメンバーで一二を争うほど荒れ汚れているというのに、一切の抵抗すらない。気恥ずかしく思っていた頃が懐かしいくらいだ。
「───事前に連絡はしてくださいと言ったじゃないですか」
「ごめーん! 急にじおるに会いたくなっちゃったッピ!」
テヘ、とそろもんはおどけてみせた。いつもより耳が赤くなっているのが彼が酔っていることを示している。外気は昼間に比べて冷たくて、薄着のそろもんには寒く感じるだろう。
じおるは溜め息だけを吐いて、そろもんの腕を引っ張った。随分と冷えてしまっていて、長らく外にいたことが嫌でもわかる。
「まずはお風呂に!」
「えー、今日そんなに酒臭い〜?」
「酒臭い汗臭いのダブルコンボですよ!」
悪口だと文句を垂れるそろもんを引っ張り、ユニットバスに連れて行って放り込む。部屋の引き出しから新品の下着を取り、予め置かれているそろもんの寝間着も同じように取って、タオル掛けに掛けた。
違う引き出しからそろもん専用のバスタオルを取ってやり、服の上から掛けて置いてやる。
「バスタオルは絶対にこれを使ってください」
「え、指定? 俺専用ってこと?!」
優しいね〜なんて呑気なそろもんを肘で小突く。たしかにこのバスタオルはそろもん専用であった。ラベルにわざわざ名前が刻まれているのだ。もちろん、本来の持ち主であったじおるが書いた。
僅かに眉を寄せて、困った顔でじおるが言う。
「この前たまたまそろもんくんが使ったバスタオルを使ったら、ふと匂いが気になったんです」
「風呂入ってもクセーってことかよ!」
「汗臭いというより体臭というか⋯⋯」
お酒でさらにうざくなったそろもんが泣きつこうとするのを叩き払い、じおるは身を乗り出した。浴室リモコンに触れ、風呂自動のボタンを押す。栓を忘れずに閉めれば準備は完了だ。
ピーという機械音が鳴って、浴槽に湯が溜まり始める。忙しいせいで湯船に浸かることが少ないじおるがわざわざ用意してくれるとは珍しい。
「じおる優しい〜」
「⋯⋯きちんと酔いを覚まして寝てほしいんですよ」
酔ったまま寝かせると、イビキも朝の起きる時間も大幅に変わるのだ。元々狂っているので、あすたほど性格が悪くなったりはしないが、元が悪い。急に夜の散歩に出掛けようと放浪を試みたり、ゲームをしようとしたり、ウザ絡みしたと思えば途端に寝落ちている───なんて日常茶飯事だ。
安眠のための優しさを疑わず肯定されると、真っ直ぐ言葉を受け取れない。脱ごうとしたまま手を止めたそろもんと目が合って、じおるは余計に気まずくなった。
「い、いいから早く入ってください!」
バタン! 乱暴に扉を閉めて、寝室の用意をする。
彼は一緒の部屋で寝たいと駄々を捏ねるのだ。限られた睡眠時間を有効に使うためには工夫が必要である。特に予測不可能で気分屋なそろもんは大敵だ。
敷布団を敷いてやり、枕を用意して、肌触りがいいのに洗濯がしやすい毛布を用意して───と大変手厚い環境を整えた。
朝に『プロテイン〜!』と騒がれないように、冷蔵庫の中も確認した。以前買い溜めされたドリンクが数本残っている。そろもんの情により、じおるが消費することも許されているので不満はない。
ひと区切りつくと、静かな部屋に気が向いてしまった。寂しさを紛らわすためにポスンとソファーに腰を下ろして、メールの下書きを作成する。
「⋯⋯そろもんくん、早く上がって来ないかなあ」
湯船に入ったのか、シャワーの音も聞こえない。陽気な声が恋しくて、ひとりで呟いた。
―――
じおる宅のユニットバスに入るそろもんくんが公式なのがすごすぎて泣いてしまいます。見漁るのと書くのを並行するのが難しいですが、引き続き書いていきます。よろしくお願いします。
コメント
1件

更新ありがとうございます‼︎ 続き楽しみにしてます♪
【srjo】 絵
#ご本人様には関係ありません
#BL