テラーノベル
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第八話Start
「……ねぇ、本気で言ってる?」
薄暗くなった部屋の中、ベッドのド真ん中に完全に固定されたすちは、天井を見つめたまま声を絞り出した。
右隣には、すちの腕を抱き枕みたいにガシッと抱え込んでスースーと寝息を立てているなつ。
左隣には、「すちくん、おやすみ」と言いながら、すちの手を恋人繋ぎにしたまま綺麗な寝顔を見せているみこと。
足元の方では、すちの足に自分の足を絡めるようにして丸まっているこさめ。
そして背後からは、大きな身体のらんがすちの腰に腕を回して、完全にバックハグの状態でぴったりと密着している。
唯一、ベッドに入り切らなかったいるまは、ベッドのすぐ横の床に座り込んでベッドの縁に肘をつき、すちの髪を優しく指で弄んでいた。
「あ? どうした、すち。眠れねぇの?」
いるまが少し声を落として、暗闇の中で訊ねてくる。
「眠れるわけないでしょ……ッ!!」
すちは叫び出したいのを必死に堪え、蚊の鳴くような声で訴えた。
「みんな体温高すぎだし、狭いし、顔近いし……! あと、らんらんの心臓の音が耳のすぐ後ろでドクドク聞こえてて、なんかもう、いろいろ無理……っ!!」
すちの心臓は、さっきから200キロバトルくらいの猛スピードでバクバクと脈打っている。
顔は耳の裏まで沸騰したように熱い。
みんなが「可愛い、守りたい」と思ってくれているのは(理由は謎だけど)伝わる。
伝わるのだが、流石に男5人にここまで密着されて平然としていられるほど、すちの心臓は強くなかった。
「ん……すち、うるさい。静かに寝ろ……」
なつが寝ぼけながら、さらにすちの腕をぎゅっと胸に抱き寄せ、すちの肩口に頭をすり寄せてくる。
「うわっ、暇ちゃん近いって……! ちょ、動けない……!」
「あはは、すちくん、なっちゃんに捕まっちゃったね。僕のほうおいで?」
寝ていたはずのみことが薄く目を開け、極上の甘い声で囁きながら、すちの空いている方の肩を引き寄せて、自分の胸元にすちの頭をすっぽりと埋め込ませた。
「ひゃんっ……!? み、みこちゃんまで……っ!!」
トドメとばかりに、後ろのらんが「んー……すち、逃げちゃダメ……」と、寝ぼけながらさらに腕の力を強め、すちを自分の身体にこれでもかと密着させる。
「らんらん……! 苦しい、起きてってば……!」
完全に4人のイケメンたちに包囲され、身動き一つ取れなくなったすちは、顔を真っ真っ赤にしてタジタジを通り越して息も絶え絶えだ。
床からその様子を眺めていたいるまは、暗闇の中で小さく吹き出した。
「ククッ……お前、顔真っ赤だぞ。どんだけ初心なんだよ」
「いるまちゃん、笑ってないで助けて……! 俺、このままだと緊張で死ぬ……!」
涙目で助けを求めるターゲット(すち)の破壊力に、いるまも内心でドクンと胸を撃ち抜かれる。
「……しゃーねぇな。ほら、ちょっとこっち貸せ」
いるまはベッドに手を伸ばすと、なつやみことの腕を器用にすり抜けて、すちの身体を自分のほうへとひょいっと引き寄せた。
そして、ベッドの縁にすちの頭を乗せ、自分の膝の上にすちの頭がくるように――つまり、即席の『膝枕』の形にする。
「これなら少しはマシだろ。ほら、目ぇ瞑れ」
いるまが優しくすちの目を手で覆い、トントンと規則正しく胸元を叩いてやる。
「いるまちゃん……」
至近距離にあるいるまの優しい眼差しに、すちはさらに心臓が跳ね上がったけれど、さっきまでのギチギチの圧迫感からは解放されて、少しだけホッとする。
すち(心の中:『……なんなんだろ、本当にこの人たち……。おかしいのは俺の心臓のほうなのかな……』)
結局、夜が明けるまでずーっと緊張の限界アラートが鳴り響き、すちにとって人生で一番「寝不足でヤバい夜」になるのだった。
次回♥️360💬1 めっちゃ伸びました!ありがとう~!( ≧∀≦)ノ💕
#ご本人様には関係ありません
めら✨
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コメント
7件
あぁ〜いるすちてぇてぇ...てぇてぇよぉ 膝枕されてるすちくん想像するだけで...腐腐腐(腐女子の本能だ...許して)
ちょっとすちくんの気持ち、めっちゃわかるよ〜!!🥺💦 周りイケメンだらけで密着しまくりって、心臓もつわけないよね…!笑 でもいるまちゃんの膝枕に切り替わったところ、優しさが滲み出てて最高にエモかった…😭💕 このカオスな布団の中で唯一の救いって感じだね!すちくんの「緊張で死ぬ」発言にめっちゃ共感しながら、胸キュンしっぱなしでした!!🙈💗