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ご覧いただきありがとうございます。
・ご本人様とは一切関係ありません。
・読了後の苦情は受け付けません。
・当作品はrumnになります。自衛をよろしくお願いします。
・マフィアパロですが要素は激薄。3Dライブと歌詞割参考の某2人の歌みたのどちらにも狂わされ生まれたものです。
・Xに投稿している短文になります。
X(@0_____ray__0)
以下本編。
ウチの組織のボスであるマナは何かと命を狙われやすい。きっと、武力において「小柳ロウ」が名を馳せすぎたせいだろう。「小柳ロウ」のボスであるマナを叩こうと画策する輩は少なくなかった。
曰く、小柳ロウは緋八マナに嫌々従っているだとか。
曰く、小柳ロウは緋八マナに洗脳されているだとか。
そんな噂は無尽蔵に湧いてくる。
「小柳ロウ」の武力を欲しがる者たちが、その出鱈目な噂を鵜呑みにして襲撃を行うのだ。返り討ちにし続けているという噂も流させているんだからいい加減懲りてほしいと思うのも仕方ないことだろう。
マナは俺の主人で、俺はマナの懐刀。強い信頼で結ばれた主従。これが構成員たちが持つ俺らへの印象だろう。
間違ってはいない。が、それだけでは足りない。
「ロウ」
緋八マナ。彼は俺の主人であり恋人でもある。
「ん、どうした?マナ」
他組織との取引やら何やらで今日は一日中動き回っていた。2人で家に帰ってきて、その鍵を閉めて服を着替えて。ラフな格好になってようやく「恋人」の…本来の俺たちの姿に戻れる。ソファに2人で座ってチルするのが俺らのルーティンとも言えるだろう。
「毎回思うけど切り替えすごいよな〜って」
「切り替え?」
「そう。俺のことボスって呼ぶし、話す時も敬語やん」
「あー、そうね」
「ロウが遠くにいっちゃったみたいでちょっと寂しい、けど…」
「…寂しい」
寂しい…寂しいか。組織の人間として動いている時、マナはボスだし俺はマナの部下だ。いつもみたいな調子で話したり抱きしめたりできないのは寂しいけど…そうか。
いや、ちゃう、余計なこと言った。なんて言うマナをじっと見れば、マナは少し下を向いて呟くように言った。
「…ずっと、違うかったのに、」
俺とマナは幼い頃からこの世界で生きてきた。俺たちの組織を手に入れてマナがボスの座に収まるまで、俺らは互いにとって1番の理解者で、良き幼馴染だった。そしてこの組織で過ごすようになって「主従」と「恋人」が俺らの関係を現す名前に追加された。
「…寂しいのは、俺もそう」
手を広げればマナが飛び込んでくる。そのまま抱きしめれば体がくっついて隙間が埋められていく。マナは俺の肩に頭をグリグリと押し付け、顔を上げた。水色と黄色の瞳が俺に向けられて、その瞳に光がたくさん含まれて輝く。とても綺麗な瞳だ。
「ロウも寂しい?」
「そりゃそうだろ。こうやって気軽にくっつけねぇし、人の目も多いし」
「そっか。そうよな」
「…けど、マナが俺のボスなのは事実だし俺がマナって呼び捨ててタメ口で話してたらボスの示しが付かないだろ?」
「…確かに」
少しずつ逸らされていっていたマナの顔をこちらに向かせる。
「その分2人きりの時はいっぱいマナって呼ぶから、な?」
「…ぎゅーもしてほしい」
「もちろん」
マナが俺を抱きしめる力を強くしたのがわかる。俺を見つめるマナが可愛くて、その口を塞いだ。軽く触れるだけのバードキスをして離れる。
「…もっと、してくれんの?」
「ご飯食べて風呂入ったあと、寝室でな」
「…そ、れは。する…ってこと?」
「嫌?」
「嫌ちゃう!…早く、ご飯作ろ?」
「だな」
マナに指示されながらご飯を作るのを手伝って、俺の仕事がなくなったら風呂を洗う。そして食卓に並べられたご飯を食べて、風呂に入って。
その後は俺らだけのお楽しみ。