テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
幼い頃から剣道が好きだった
全国大会も毎回入賞していたし、高校の進路先も確定していた
花ケ崎高等学校 剣道では有名で団体戦では全国大会優勝も数回経験していた
私もそこで剣道を続けたいって思っていたし、周りも嬉しそうにしていた
でも…私の人生は大きく変わってしまった
友人とのトラブルだった
まさか腕を刺されるなんて…
瑠璃「すみません…本当に」
先生「いや…腕が使えないなら剣道もできないだろう…仕方がな
いことさ、気にするな」
瑠璃「っ…」
こんな事起きると思っていなかった
それに、その日から私に対する周りの目は一気に冷めていた
*
ピピピピ ピピピピ
アラーム音が部屋に響いた
瑠璃「ん…もう朝…?」
軽く伸びをしてスマホを確認する
冷たい床に足を落として私はリビングに向かった
瑠璃「おはよう」
母「おはよう瑠璃 朝ごはんできてるから食べちゃいなさい」
瑠璃「うん、ありがとう」
左手で箸を使うのはもう慣れた
右手は添えるだけ、握力なんてきっと2桁ない
でもさすがに片手だけだと少々不便だ
私は剣道が無くなったので近くの公立高校、閏金高校に通っている
そこでの生活も別に悪くはない、ただ最近厄介な人に絡まれている…
*
学校の授業は50分 今日は月曜日課だから私の得意教科は無し
瑠璃「はぁ…なんで月曜日はこんなに憂鬱なんだろう…」
その時後ろに人の気配を感じた
来た…
碧羽「瑠璃〜おはよう♡」
こいつ、こいつだ、厄介な人というのは…
東雲碧羽…私より背丈は高いだろうか…顔立ちも良く成績も良い
周りの男子は彼女の話で持ちきりになっている
瑠璃「何…」
私は冷たく返事をした
碧羽「ねー今日お昼一緒に食べない?」
瑠璃「1人で食べたいから」
いつもこうやって私をしつこく誘う、仲良くしたいのだろうか…私はどうも彼女が気に入らなかった
碧羽「え〜1人で食べても美味しくないよ?」
近い…
碧羽「それに」
「そんな右手じゃ食べづらくない?」
瑠璃「は…?なんで…知ってるの」
碧羽「え〜…」
すると彼女は私の耳元で囁いた
碧羽「まだまだ知ってることたくさんあるよ♡誰にも知られたくないようなこと…」
私は全身が震えた
何故彼女は私の中学時代を知っているのか…親戚にもこのような子はいなかった、近所でも何でもない…この学校でお互い初めましてなはずだ
瑠璃「…別に、そんな事言って何になるの…私は気にしないし…」
私はすぐ話を逸らそうとした…が
碧羽「ふ〜ん…じゃあ」
『…それだけは駄目』
*
人の少ない屋上
私達はベンチに腰をかけた
碧羽「今日はいい天気だね」
瑠璃「食べ終わったらすぐ行くから」
碧羽「どうして君はそんなに無愛想なのかなぁ…」
瑠璃「お人好しのあなたとは違うから」
すると彼女は一瞬目を見開いたが、すぐにいつもの穏やかな目に戻った
碧羽「私がお人好し?」
瑠璃「そうだよ、自分が良い人って見せつけたいからこうやってしつこく話しかけるんでしょ?」
碧羽「…」
図星か…
碧羽「君は…馬鹿だね」
瑠璃「え?」
すると彼女は私の顔を無理やり自分の方向へ向けた。本当に♡♡してしまうほどの距離だった
彼女の目はまるで餌を狙う鳥のような…鋭い目をしていた
碧羽「わたし…瑠璃のこと好きなんだよね」
瑠璃「…え…?」
碧羽「お人好しなんて、そんなわけ無いでしょ?瑠璃が好きなの…だから食事も一緒にしたいの」
理解して欲しいかのように話しかけてくる彼女は普通の人ではないとすぐに分かった
彼女は少し黙った後、何事も無かったかのように話をした
碧羽「ていうか、机ないから食べづらいでしょ?あーんしてあげるよ」
瑠璃「いいよッ別に…」
何もかもが混乱していた
でも彼女は私の箸を無理やり取った
そしてお弁当箱に入っていた卵焼きを掴んで私の顔の前に差し出した
碧羽「はい、あーん」
瑠璃「……」
私は仕方なく口にした
碧羽「美味しい?」
私は何も返せなかった…
母は料理が上手だけど、私はあまり味を感じないから美味しいとか、よく分からない
碧羽「美味しくないんだ」
瑠璃「違っ…」
碧羽「まぁ何も聞き出すつもりはないけど、」
すると彼女は立ち上がった
碧羽「これからよろしくね、瑠璃」
それだけ言って彼女は教室へと戻っていった
あれだけ脅しておいて…少し安心したけど、怖い
彼女が何者なのか分からない 彼女との繋がりが分からない
瑠璃「うーん……」
ていうか、『好き』って言われたの…?
男子に告白されたことは何回もあったけど…もしかして…あの人…
瑠璃「考えても意味ないよね」
*
地獄の月曜日課が終わった
今日は買い物でもして帰ろうかな…もう少しでお母さんの誕生日だし
席を立つと同時に私の名前が呼ばれた
碧羽「瑠璃」
瑠璃「なに?」
碧羽「そんなゴミを見るような目で見てこないでよ〜、
この後空いてたりする?」
瑠璃「ごめん、買い物行かなきゃいけないから」
碧羽「え〜そっか〜…じゃあついてくね」
は?…こういうのは諦めるんじゃないの?
瑠璃「……勝手にすれば」
私はそう言って教室を出た
*
本当についてくるとは思わなかった、しかもこんな隣で歩いてくるなんて
瑠璃「あのさ、私にも一人っていう時間が欲しいんだけど」
碧羽「えー今まで一人だったでしょ?それに、買い物は友達と
行くから楽しいんだよ」
…友達なんて、作るのが怖かった、何をされるか分からないから
たとえ何十年一緒に居たって、相手が自分をどう思っているのか分からない
碧羽「それに、私は瑠璃と一緒に居るだけでいいんだ」
何故だろう…今日の彼女の声は少し落ち着く、不安も何も抱けないほど…
けれど、私の思いは変わらない
私はきっぱりと言った
瑠璃「私もう友達作りたくないの…だから浅い関係のうちに関
わらないでおいて、相手に憎まれたくないから」
私は彼女の反応を見ることもなく、ただ下を見ていた
碧羽「…そう、ごめんね」
隣からの気配が消えて、彼女は私と逆方向を歩いていった
これでいい…
でもなぜか私の心は痛かった
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!