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早坂 燈 hayasakaakari .
黒尾鉄朗 kurooteturou.
「 ま た ね の 続 き を _ 。 」
「なあ、明日さ」
放課後、夕焼けの中。
黒尾 が、いつもみたいに軽く言う。
「アイス奢るわ」
「え、珍し。じゃあ一番高いやつね」
「調子乗んなって〜笑笑」
そんな、いつも通りの会話。
でも私は知ってる。
その“明日”が、当たり前じゃないこと。
黒尾は、何も言わない。
ずっと、隠してる。
最初に 気づいたのは、本当に些細なことだっ た。
前より少しだけ疲れやすくなったこと。
部活を早く切り上げるようになったこと。
でも会えば、笑うから。
「気のせい」で済ませたかった。
──ある日、聞いてしまった。
「……長くは、ないですね」
その一言で、全部崩れた。
帰り道。
隣を歩く黒尾は、いつも通りで。
「なにその顔 笑」
「オジョーサンの綺麗な顔が台無しだぞ〜」
いつもなら、言い返すのに。
_声が出ない。
「……ねぇ」
足が止まる。
「なんで言ってくれなかったの」
黒尾は、一瞬だけ黙る。
それから、いつもの顔で笑った。
「言ったらさ」
「お前、泣くだろ」
その軽さが、苦しくてたまらない。
「もう、泣いてるよ…」
気づいたら、涙が落ちてた。
「ずっと怖かった」
「いなくなるかもしれないって」
黒尾の表情が、少しだけ揺れる。
「……ごめん」
「謝らないでよ」
一歩、近づく。
「一人にしないでよ」
手を、強く掴む。
「最後まで、隣にいさせてよ」
…………沈黙の時間が流れる
黒尾は、少しだけ目を伏せて。
「……ずりーよ」
小さく笑った。
「離せなくなる」
それからの日々は不思議なくらい普通だった。
「なあ、今度さ」
「ここ行こうぜ」
「いいね」
叶わないかもしれない約束を、何個もした。
それでも黒尾は、楽しそうに笑う。
ある日、帰り道。
夕焼けの中で、黒尾がぽつりと言った。
「……怖えわ」
初めて聞く声だった。
「お前置いてくの」
胸が締め付けられる。
「……じゃあ置いてかないでよ」
声が震える。
「一緒にいればいいじゃん」
無茶だってわかってる。
でも、止められない。
黒尾は、少しだけ困った顔をして。
「できたらいいな、それ」
って、笑った。
時間は、残酷なくらいちゃんと進む。
白い部屋。
静かな音。
弱くなっていく呼吸。
それでも鉄朗は、笑う。
「なあ」
かすれた声だ。
「俺さ〜、、、ちゃんと生きた?」
涙で前が見えない。
「うん」
それでも、ちゃんと答える。
「めちゃくちゃかっこよかった」
黒尾は、少しだけ安心した顔をする。
「そっか、」
そして、私の手を握る。
弱くて、でも確かに温かい手。
「なあ」
最後の力で、言葉を紡ぐ。
「好きだわ」
今度は、、ちゃんと本気で。
「……私も」
声が、震える。
「ずっと、好きだった」
鉄朗は、少しだけ笑う。
「知ってる」
そのまま、ゆっくり目を閉じる。
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音が、止まる。
季節が変わる。
私は、一人で歩いてる。
でも、前を向いてるよ。
コンビニで、一番高いアイスを買う。
「奢りだからね」
そう言って、少し笑う。
隣には、誰もいないのに_ 。
空は、あの日と同じ夕焼けで。
“明日”は来なかった。
でも、君と約束した“未来を生きる私”は、ここにいるよ。
月姫ちゃんのストコンです!!
白布んのはボツなので、消して新しいのを作りました!あともうひとつ、月姫ちゃんのストコンの作品があるので!お楽しみにー!
あ、ちなみに、感動部門です!
賞取れるといいな〜!
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