朱音は急いで空港へ向かっていた。前回のフライトからまだ日も経っていないが、今度は東京からパリへの旅だ。透が「JTR」の呪霊との戦いで危機に陥っているという知らせを受け、彼女の心は高鳴っていた。
「絶対に透を助ける!今度こそ!」
彼女は心の中で誓いを立て、搭乗手続きを済ませる。フライトの情報を確認し、急いでゲートへ向かう。
搭乗が始まり、朱音は今度の戦いに思いを馳せながらシートに着く。隣に座った乗客はまったく知らない人だが、朱音にとってはこの空の旅が運命の出発点である。
「透、待っててね。必ず助けに行くから」
彼女は窓の外を見つめ、地面が遠ざかるのを感じながら、次の目的地へ向かう飛行機の中で心を静める。
フライト中、朱音はこれまでの戦いを思い出していた。仲間たちとの絆、そして自分自身の成長。全てが今の自分を形成している。そして、透を助けるためには、これまで以上に強くなければならないと感じていた。
「パリに着いたら、すぐに行動を起こさなきゃ…」
彼女はフライトの時間を無駄にしないよう、次の戦略を練り始めた。
約十二時間のフライトを経て、朱音はついにパリに到着した。飛行機から降り立った瞬間、異国の空気に包まれる。彼女はすぐにタクシーを捕まえ、透がいる場所へと急いだ。
「透、絶対に無事でいて!」
その思いが彼女の足を速める。戦いの舞台であるパリの街を駆け抜け、彼女は一刻も早く透の元へと向かう。
朱音が透の居場所に近づくにつれ、心の鼓動が高まっていく。彼女の頭の中には、仲間を守るための強い思いが渦巻いていた。
「私が行くから、絶対に負けないで!」
彼女は心の中で叫ぶ。決して諦めない、その意志が彼女の背中を押していた。