腕の中

ふっと、渡辺が目を開ける、ホワホワしたまま岩本を見る。指を伸ばし涙を拭う。

渡辺ーどうした？

岩本ー熱が上がると分かっていても、翔太が欲しい。

渡辺ーばか。俺が欲しいんだ。

岩本は渡辺にキスをする。応える渡辺。

岩本ー翔太、熱測って？

渡辺ーん〜ん。

岩本ー抱きしめてる身体が熱いし、口の中も熱い。

渡辺ー氷。

岩本ー取ってくる。

大きめのロックアイスを口移しで渡辺に。カラカラ言わせて笑う。岩本の首に手を絡ませキスを求めてくる。氷が互いの口を行ったり来たり。だんだん小さくなって渡辺が飲み込む。

渡辺ーひかる、もう一度ちょうだい。

岩本ー・・・・。

渡辺ー大丈夫、こんな熱、ひかるの腕の中にいたら、すぐ下がる。それに、薬買ってるんだろ？ちゃんと飲んで寝る。

岩本ー翔太・・。

渡辺ー普段、寂しい思いさせてるから、一緒にいられるときは、俺を好きにしていい。

渡辺の胸元に頭を擦り付け、岩本はまた涙が出てくる。この人には敵わない。

渡辺ーひかる・・ひかる・・。

岩本ー優しくしたい。

渡辺ーんっ・・。

岩本ー翔太、愛してる。

渡辺ーふふふ、知ってる。

渡辺ーあっ・・熱い・・。

岩本ーやめるか？

渡辺ーだめ・・もっと・・。

渡辺ーひかる・・俺にも・・お前だけ・・。

岩本ー翔太・・。

渡辺ーはぁ・・いい・・いい。

渡辺ーたまんない・・気持ちいい。

渡辺ーはぁはぁ・・あっ・・あっ・・でる・・ひかる・・。

渡辺ーでる・・でちゃう・・はぁはぁ・・で・・る・・あっ・・あぁ・・はぁはぁ。

アイスノンして冷えピタして、薬飲んで氷を食べながら岩本の腕を抱きしめている。

岩本ー大丈夫か？

渡辺ーんっ・・。

岩本ー熱は？

渡辺ー大丈夫、お前がいるから。

岩本ー寝よう？

渡辺ーん。

時には岩本に甘えて、熱を下げよう。今は高い熱。だけど、岩本がいれは、渡辺は大丈夫な気がするのだ。

完