テラーノベル
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とうとう作っちゃいました。
短編集
多分投稿頻度はかなり少ないと思われます
💙×❤️ 恋人同士
7月7日。
晴れ渡った夜空には、うっすらと星が滲んでいた。
「ねぇ若井、今日はちゃんと晴れてくれたね」
ベランダに出た元貴が、風に揺れる短冊を見ながらふわりと笑った。
「元貴が晴れてって願ったからじゃない?」
俺は、その背中に手を回し、そっと抱きしめる。
「え〜?それなら願い事無駄にしちゃったかも…」
元貴は、少しふてくされたように言うけれど、その声はとても嬉しそうだった。
「…で?願い事、なんて書いたの?」
肩越しに覗き込むと、元貴は少しだけもじもじしてから、青色の短冊を手渡した。
“この先も、滉斗とずっと一緒に居られますように”
それを読んだ俺は、思わず元貴の頭を撫でた。
「かわいすぎ」
「やめてよ〜、恥ずかしいんだけど…!」
「…でも、俺も同じこと書いた」
そう言って、自分の赤い短冊を取り出して見せた。
“元貴が、隣でずっと笑っていられますように”
元貴の頬が、夏の夜よりもずっと熱くなる。
「バカ……好きすぎる」
ぽつりとこぼしたその声に、俺はにっこり笑って、そっと元貴の唇にキスを落とした。
夜風が、2人の間をすり抜けていく。
笹の葉がさやさやと鳴いて、まるで2人の願いを祝福してくれているようだった。
「ねぇ、若井?」
「ん?」
「今夜はさ、ずっとくっついてていい?」
「いいよ。星が消えるまで、いや……消えても、ずっと。」
願い事なんていらないくらい幸せだけど_それでも、星に願う2人の未来は、もっと優しく、もっと甘く、きっと続いていく。
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