テラーノベル
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満月の夜に微かに聞こえる「遠吠え」この遠吠えが、俺たちの運命を変える、最悪の出来事の前触れであったなんて、だれが夢にも思おうか。今宵、人が人を怨み、憎み、疑り深い者たちへの探りを入れて作られる、厄災のワルツを、紙の舞台の上で、人に動かされ思いのままにされるマリオネットの様に。華麗に羅針盤を動かすのだ。
梟の、ふわりとした声が森中に木霊する。黒い羽、赤い目のカラスが、こちらにギョロリと目を向け、嘲笑うように満月の空へと旅立って行った。異様に冷たい空気の流れるこの場所は、一体どこなんだろうか。
目覚めると、俺は知らない天井を見た。無駄に高く、ふわふわと怪しげに灯るシャンデリアのキャンドルが、異様な空気と匂いに拍車をかける。
ゆっくり、むくりと起き上がると、見知った面子が死んだかのようにぐっすりと眠りに落ちていた。揺さぶっても起きないほどには、深い眠りに落ちているのだろう。
俺は諦めて周りをぐるっと見渡す。見たこともないくらいの高い天井、宝石のあしらわれた大きなシャンデリア。あまりに長くて、先が見えない螺旋階段。そして、ポッケに入ったカードと、部屋の鍵。
まるで、ここに来ることが決まっていたかの様な対応ぶりだ。取り敢えずみんなを起こさなければ話は始まらない。俺は皆を起こす事にした。
「起きろー!おーい!!」
「聞いてんのかー?!馬鹿どもがよぉ!!」
「うるさぁーい。黙ってくんね?」
「って、ここどこですかぁッ?!」
「知らん場所だな。」
「そりゃ見りゃ分かるだろw」
「まず皆ここからどうするか……」
「誰だ?!」
「私、支配人の柚乃と申します。」
そこに居たのは、狐面を深く被った、燕尾服の男だった。スラッとしているが、身長は150程しかなく、それでも落ち着き払った様子と声で、こちらの様子を覗いていて、子供には思えなかった。
「何が目的だ?」
「少々、皆様には気がありましてね。」
「なんだジレってぇな。はよ言えや。」
「じゃあ単刀直入に言いますと、」
「……ッ?!」
「何言って、」
「rdさん。」
「なんで俺の名前をッ……!!」
「貴方はもう既にポッケはもう確認しましたよね?皆様もどうぞ。」
「カードと鍵?」
「あなた方には人狼ゲームをしていただきます。皆さん、仲間内で殺し合いたくは無いと思いますが、安心してください……!!皆さんの中に、狼役の偽物の仲間が入っていますので、しっかり狙い打って下さいね。」
「何言って……!!」
「それでは、期待していますよ。」
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コメント
2件
わーーー!! 始まり方最高すぎます🥹🥹