テラーノベル
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「ただいま〜」
丁度夕飯を作り終えたところで待ちわびた声が聞こえて、思わず口角が上がる。
「おかえり!」
「遅くなってごめん。ちよっと話し込んじゃって」
少し申し訳なさそうにする言に、「むしろ出来たて食べれるからいいでしょ」と笑いかける。すると、言もつられて笑った。
「作ったの僕だから」と役得を利用して料理を言に運んでもらい、2人で揃って手を合わせる。
「いただきます」
今日のメインは生姜焼き。作り置きを焼いただけの簡単なものだけど、味付けは完璧だと自負している。その味を堪能していると、ふと言の口元に生姜焼きのタレが付いているのに気がついた。
「言ちゃん、なんか付いてるよ」
「え?どこ」
指で拭ってそのままぺろりと舐める。
「ん、やっぱ美味しい」
「…自分でとるからいいのに」
言は一瞬固まって、直ぐに何事も無かったかのように料理を口に運んだ。その反応に既視感を感じながら、僕も生姜焼きをかじった。
コメント
2件
これ好きすぎる〜(毎回言ってる) 東兄弟のたくさん作ってくれるの嬉しすぎます