注意書きを読んでからお進み下さい。
わんく
当作品は”nmmn”というグレーゾーンな作品です。検索避け、隠語は勿論のこと、拡散、保存等の行為は一切おやめ下さい。
ご本人様、関係者様には一切の関与はありません。
あくまでも「名前をお借りさせて頂いている」という体で作品をご観覧になってください。
公共の場での閲覧行為は禁止です。
この作品のような”nmmn”は密かに楽しむものとなっております。それをお忘れずに。
何度も言いますが、絶対に以上の事は守ってください。
守れない方は一度注意させてもらい、変わらないなら、心苦しいですが、ブロックor通報させて頂きます。
以上のことを頭の片隅に置き、忘れないようにお願いします。
あと普通に **2500文字**ですので時間がある時に読むのをおすすめします。
長くなりました。それではどうぞ。
※CP無し
※学パロ
※吹奏楽系の話
※チア組出てこない
『こさめって、陰キャだし、つまんねぇし、性格も終わってるし、男に媚びててうぜぇよな笑笑』
そんな罵詈雑言を浴びせられ、学校に通っていたのは、最早懐かしいまである。確かにこさめは当時、物静かでギャグセンスもなかった。
本当に、彼等の言う通りだ。それでも尚、嫌な顔せず学校に登校した。
何故なら気が沈んでいた時に励ましてくれる音があったから。
芯があって、伸びやかで、軽やかで、力強い。けれども優しくて、儚くて。
そんな音色__フルートの音色。
フルートの肺活量は凄くて、吹く息の80%は余裕で空回る。残りの20%であれ程綺麗に伸びやかに吹けるのは、個人レッスンに通っている人か、或いは才能の持ち主か。
自分の存在を認めたくて、我武者羅に、必死にクラリネットを吹いている自分の音とは、まるで違う。あの音がこさめを励ましてくれて、こさめが学校にいる意味を成してくれる。
そんな音に、もう一度出会いたかった。
「こさめちゃーん、早く部活体験行くよー」
「あ!すっちー!まってぇ」
新学期。晴れてこさめは高校生。あんな苦い思い出、もうしたくなくって、唯一得意なクラリネットを活かせる、所謂吹奏楽部強豪校に入学した。すっちーは、小学校からの幼馴染。ずっと仲良くしてくれて、俺が恥ずかしがっていた高校デビューの後押しをしてくれたのも、全部すっちー。
彼はと言うと、吹奏楽部ではホルンを吹いていた。そう、金管楽器で世界一難しいあの楽器。
二人とも経験者ということで、多分難なく部活には入れるんじゃないかな。
「あ、練習音、聞こえるね」
「ねー!楽しみ〜!!」
中学では都大会止まりだったけど、全国行けたらいいな。
「やっば〜!つい練習しすぎたぁっ…」
時刻は既に、八時を回っていた。
こさめくらいしか居ない練習教室から素早く出て、リードを洗いに行く。急ぎすぎたせいで、リードを落としてしまったみたいだ。
「あ”っ!!!あっちゃぁ……リード割れちゃった」
最悪だ。他のやつも作ってあるが、このリードよりかは音が出にくい。深い溜息を着いて、洗いに行こうとしたその時。
〜〜〜〜♪
ギターの柔らかい音色に、フルートの優雅な音色が乗っている、そんな優しい音を耳にした。
「このフルート……」
確かにそのフルートは、中学の頃のこさめの生きがいのような音だった。多分同一人物だろうが、中学の時より断然上達している。ここでこの音に会わなければ、一生会えない。そんな気がした。
「あの!!!すいませんっ!!」
大きくドアを開けて、大声で呼べば、フルートは大袈裟に音を上擦らせ、ギターはちいさくぉわ、っと声を上げた。
「そ、その音……!」
振り返った二人は、まるで俳優のように、顔が整っていた。
ギターを持った彼は、黄色に輝く髪を持っており、徐々にピンクのグラデーションがかかっている髪持っている。目はぱっちりと大きく、ここから見ても分かるほど、睫毛もふさふさ。二重も大きくて、鼻も高くて、正に御伽噺に出てくる異国の王子のようだ。
フルートを持った彼は、黒く艶やかな髪にピンクの前髪を持っていて、目はやや釣り目だが、優しくて、童顔で砂糖顔。目が大きくて、肌が驚く程に綺麗で、彼はギターの人と対に、異国の御伽噺のお姫様。けれども身体は男の人で。
こさめはそんな二人に、息を飲んだ。
「あぁ、これね。「アルルの女」の、「メヌエット」っていう曲。」
「びっくりしたぁ、まだ俺ら以外に残ってる子居るんやなって!」
夜の風に吹かれて、ふにゃりと顔を歪ませる二人。そんな二人に、こさめは直ぐに引き寄せられた。
「ああああああ、あのっ!!!こさめ、一年、雨乃こさめって言います!!!その、二人の曲、好きです!」
勢いに任せて告白すれば、二人は顔を見合わせて更に笑った。
「へへ、そう?ありがとね。こさめ…くん?」
「嬉しいなぁ!そんなこと言われると幾らでも弾きたくなるわ!」
割れたリードのことなんて、頭の片隅にもない。高揚した頬を撫でるは、秋の肌寒い風。暖かくて優しいその眼差しに、まるで夢にいるかのような、そんな不安定な感覚に襲われた。
「俺、二年の桃野らん。こっちは…」
「王原みこと!俺も同じく二年生!」
ああ、なんということだろう。
こさめはこの二人に、溺れてしまった。どきどきと鼓動を早める心臓を落ち着かせる為、空を仰いだ。
設定
雨乃こさめ 高校一年生 吹部 クラリネット
感情の乗った音を出すのは大の苦手だった。けれども__のフルートの音に救われ、音を表現する楽しさを見出す。
山井すち 高校一年生 吹部 ホルン
こさめの事をよく気にかけてくれる。ホルンやピアノが弾ける、歌が上手いなど、音楽面は最強。高校では、先輩であるみことと仲良くしている。
桃野らん 高校二年生 吹部 フルート
フルートの天性の才能持ち。中学の頃、一年でソロは当たり前、整った顔で皆からの嫉妬と反感を食らっていた。
王原みこと 高校二年生 吹部 パーカッション
主にドラム担当。趣味でギターをやっており、声も良くてちやほやされてはいるものの、一部の相手からは嫌われていた。
作中に名前が載った曲
「アルルの女 より メヌエット/G.ビゼー」
コメント
2件
相変わらず文章の書き方がとっても好きです😭💖 いつもと違う雰囲気も新鮮でみててたのしいですт т 投稿ありがとうございます🤲🏻♡