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ダイニングテーブルの、片側に晶子の両親が横に並んで座り、晶子とカンナは反対側に横に並ぶ。
テーブルの上には、カンナの好物である鳥の唐揚げをメインディッシュに、サラダやカップスープが並んでいた。カンナが申し訳なさそうな口調で言う。
「いやあ、悪いすね。あたしが来るからってこんなご馳走用意してもらって」
晶子の父親は一瞬キョトンとした表情を見せ、すぐに笑顔に戻ってカンナに言った。
「ははは、ご馳走ってほどじゃないよ。まあ、珍しく晶子が料理手伝ったけどね。唐揚げの下ごしらえは晶子がやったんだよ」
カンナは目を丸くして晶子に訊く。
「唐揚げを自分の家で作ったのか? あたい、唐揚げは店で買う物だとばっかり思ってた」
晶子の母親がご飯をよそった茶碗をそれぞれに手渡しながら、これも笑いながら言う。
「うちも共働きだから、普段はそうよ。今日はカンナちゃんが泊まりに来るからって晶子が張り切ってね。ま、そういう意味では滅多にないご馳走かもね」
食べ始めると、カンナの豪快な食べっぷりに晶子の両親はさらにうれしそうな笑顔になった。母親が言う。
「カンナちゃん、お代わり遠慮しないでね。晶子は食が細いから、そんなにおいしそうに食べてくれると、おばさんも作った甲斐があるわ」
食後に母親が紅茶を淹れ、カンナが持って来たクッキーを皆でつまむ。ふと、カンナが晶子の両親の顔を見ながら遠慮がちに言い始めた。
「あの、おじさん、おばさん。ちょっと訊いていいかな?」
晶子の父親が紅茶のカップを持ったまま答える。
「ん? 何だい? 僕らで答えられる事なら」
「おじさんとおばさんの両親も、やっぱ勝ち組だったんですか?」
「は?」
父親も母親も同時にそう声を出した。カンナは自分の考えに没頭しているようで、二人が呆気に取られているのには気づいていなかった。
「ええと、つまり、何て言うのかな。例えばおじさんのお父さんの職業は何だったのかな、とか」
晶子の父親が戸惑いながらも答える。
「ああ、そういう意味か。地方公務員だよ。東海地方の県庁職員。もうとっくに定年で引退してるけどね」
カンナがさらに訊く。
「大卒だったんですか? そっちの晶子のおじいちゃん」
「うん。一応大卒だね」
「おばさんの方のお父さんは?」
晶子の母親もカンナの意図がつかめず、ためらいがちに答えた。
「あたしの父は普通のサラリーマンよ。大学で工学部の研究者になりたかったらしいわね、でも結局建設会社の営業マンだったけど」
両親が戸惑っている事に気づいた晶子が、思わずカンナに言う。
「カンナ、どうしてそんな事知りたいの?」
コメント
1件
第37話、読み終えました〜!カンナが晶子の家に泊まりに来る、ほっこりした家庭の空気がとても温かかったです。晶子さんが唐揚げの下ごしらえを手伝ったエピソード、普段は料理しない子が張り切る感じ、すごく伝わってきました。でもそこから突然カンナが「おじいちゃんは勝ち組?」ってストレートに聞き出すシーン、めっちゃ意表を突かれました!晶子の両親が呆気に取られるのも無理ない。カンナの背景や価値観が少しずつ見えてきそうで、続きがすごく気になります。素敵なエピソードをありがとうございました🌷
#いじめ
るあ🩵🦊🌙
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菊池川詠人
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