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#いじめ
るあ🩵🦊🌙
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菊池川詠人
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カンナは両手で紅茶のカップを持って、中の液体の表面をじっと見つめているような様子で答える。
「いや、最近ちょっと考えるんだ。勝ち組と負け組って遺伝で決まるのかなって。うちの団地の周りの連中もみんなそうなんだよな。大抵、親が負け組だとその親、つまりじいちゃんとばあちゃんだな、それも負け組でさ」
母親がたまりかねた様子で、それでも穏やかな口調でカンナに言った。
「遺伝という事はないと思うわよ。どうしてそんな事を考えるようになったの?」
カンナは相変わらず自分の考えで頭がいっぱいという感じで答える。
「いやあ、あたいもそろそろ将来の事考え始めないとと思って。それにあたいがいつか結婚して子ども産んだら、その子も遺伝で負け組になるのかな? そんな風に思ったら、妙に気になり始めちゃって」
晶子の父親が今度は感心した口調で言う。
「へえ、カンナちゃんはもう将来の事を真剣に考え始めてるんだね。しっかりしてるもんだ。晶子、こういう所はカンナちゃんを見習いなさい」
晶子はぷっと口をとがらせて父親に言い返した。
「あたしだって考えてないわけじゃないもん。さ、カンナ、お父さんのお説教が始まらないうちにあたしの部屋へ行こ」
カンナの手を引っ張って自分の部屋へ去る。晶子の母親がお風呂が沸いたと告げに来たので、まず晶子が、次にカンナが入浴した。
カンナがタオルで髪を乾かしながら部屋に戻ると、パジャマに着替えた晶子がパソコンを開いていた。カンナを手招きして勉強机の側に呼び、パソコンのスクリーンを見せる。
そこには写真画像のフォルダーがあり、カンナは晶子が座っている椅子の背もたれに寄りかかる格好で画面をのぞき込んだ。
晶子がマウスをクリックして一つの画像をスクリーン全体に広げる。そこには街並みが映っていた。カラー写真だが、やや色合いが不自然な感じがする。
カンナが不思議そうに写真を見つめて晶子に訊く。
「なんか昔の繁華街の写真か、これ? 妙に見覚えがあるような、無いような……」
晶子はいたずらっぽく笑いながら答えた。
「これ秋葉原だよ。カンナが今アルバイトしてるお店の辺り。多分1970年代だね」
コメント
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第38話、読み終えました! カンナが「勝ち組・負け組って遺伝で決まるのかな」と真剣に考え始めたところ、すごく印象に残りました。将来や子どもへの不安を自分の言葉で話す姿に、彼女の成長や悩みの深さが感じられて胸がぎゅっとなりました。晶子の家族が穏やかに受け止めてくれるのがあたたかくて、ほっとする場面でもありました。 最後の1970年代の秋葉原の写真、不自然な色合いって言うのが気になりますね…。何か秘密が隠れているのかな?続きがすごく気になります!