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ドズル社二次創作/ DOZLE corp. fanart
フィクション/ Fiction
Chapter1 Bonjour
🍆
ぼんやりとした人生。
本当に退屈で、早くこの悪夢から覚めたいとも思っていた。
労働、娯楽、そして睡眠。
十数年で、こういう生活に倦んでしまう。
娯楽は、幸せな時間を産み出す。
でも、幸せな時間も束の間、現実へ引き戻される。 楽園の夢は終わる。
上がって、下がって。
変わり映えがなくて、何も楽しくない。そんな時。
凄く輝いている人に出逢ったんだ。
ドズルさん、という人。楽しそうだな…と、思わず思ってしまう。妬んでしまう。
ドズルさんは、太陽の様で、すごく笑顔。
そして、人々に笑顔をわけている。
俺は一生、輝きを失って、ただ1人どん底でのたうち回っている。
🍆
🦍「ぼんさん‼︎ぼんさん‼︎」
貴方は笑顔で俺の名前を呼んでくれる。その姿は、後光が差しているのではないか、というほどに輝いていた。
此方へ向かって、手を差し伸べてくれる。
俺も嬉しくて。手を伸ばす。
後少しで触れられる。
その時、心の中がひんやりとした感覚を感じる。
俺はどうだろうか。ドズルさんのように手を差し伸べることは、俺にはできない。
その手をおろし、俯く。
俺は人に尽くせないかもしれない。相手がどれだけ大切な人であろうと。
それが怖い。人の温もりに触れた時、人は夢をみる。その人に、その環境に浸りだす。
ならば、自分を救ってくれた人が温もりから遠ざかった時、幸せな夢から覚めた時、自分はその人を、再び幸せな夢に引き戻す事はできるのだろうか。
否、できない。
そんな俺が、本当に貴方の横にいて良いの?
🦍
貴方に手を差し伸ばしたけれど。貴方は迷いながらもこの手を振り払う。
貴方は何もわからないまま走る毎日を送っている。その姿が、少し昔の自分にも見えた。
がむしゃらに何もわからぬまま走り続け、疲弊して、その行為に飽き。
その時、人は幸せな夢を見る事はできない。苦しい夢を見続けさせられる。そして、 絶望する。
だから、僕は諦めない。何度でも、何度でも、みんなを救う為に、手を伸ばす。
鬱陶しいとか、お節介とかと批判を飛ばす者もいるだろう。
でも、その行為が誰か1人でも救うことができたのなら。
間違っていないだろう。自分は今、自信に満ち溢れている。
🍆
貴方の力強い表情、何度も諦めずに差し伸べてくる手を目で追う。
この人は、俺の事をわかっている。
きっと、大丈夫だ。
俺は、貴方の手に触れ、そこからは今も、幸せな夢に浸っている。
百日草の花に、一頭の蝶がとまった。その羽は、紫色。とても、凛としていた。
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