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こんちわぁぁぁぁぁ‼️
第4話ですわよ
折り返し地点かなー
10話以内の完結を目指したい
1話のときの鳴海さん視点です
1回保存忘れてて消えた😭
書き直したけどいつもより少ないかも🙏
『保科』
「鳴海」
背中に冷たい感触が滲む。
心臓がどこにあるのか分かるくらい鼓動が激しくなる。
ずっと会いたかった。
忘れたかった。忘れられなかった。
あの頃の思い出が脳裏に浮かぶ。
楽しかったあの思い出たちが。
また、戻りたい。
だけど、昔は昔。現在とは違う。
乱れた呼吸を押し殺し、無理やり心を整える。
何か言わなければ、このまま崩れてしまいそうだった。
「……久しぶりだな」
自分の喉から飛び出た言葉は思いもよらないものだった。
少し間が空いて言葉が返ってくる。
『…お久しぶりです』
詰まったような硬い声。
自分の中でなにかが壊れたような気がした。
少しだけ。ほんの少しだけ期待してしまっていた。
もしかしたら昔のように笑い合える日がくるかもしれないと。
そんな期待が崩れ落ちる。
馬鹿だな。そんな訳ないのに…、
何かが溢れ出そうになるのを堪え、整理をつける。
それでも、最後くらいは期待してもいいかな…。
そう思って口を開く。
だけど、声は出なかった。
もうこれ以上崩したくない。関わることはできない。
頭がそう考えたのだろう。
ゆっくりと君の横を通り過ぎる。
この距離なら触れられる。
そう思っても体は動かなかった。
角を曲がり、足を止めて、強く息を吐く。
胸の奥に溜まった熱が、ようやく外に逃げた気がした。
「……これでいい」
誰に向けたわけでもない言葉は、やけに空虚に廊下へ落ちた。
壁に手をつく。
指先が僅かに震えているのに気づいて、苦く笑う。
視界の奥に、君の背中が焼き付いて離れない。
「変わっていなかったな……」
小さく零れた声は、懐かしさと、どうしようもない未練を孕んでいた。
忘れられるはずがない。
忘れるつもりも、最初からなかったのかもしれない。
君は変わっていなかった。あの頃から。
自分と、2人の心の距離だけが変わってしまっていた。
ゆっくりと壁から手を離し、再び歩き出す。
今度は、さっきよりも確かな足取りで。
振り返らない。
振り返れば、きっと戻ってしまう。
そんな格好悪いところなんて見せられない。
君だけには。
そのままひたすら歩き続ける。
どこに向かうのかも決めずに。
長い回廊の先、窓から差し込む光が床に白く伸びていた。
その上を踏み越えた瞬間、ふと、足が鈍る。
あの頃も、同じ場所で並んで立ったことがあった。
何気ない会話をして、笑って。
ただ、それだけだったのに。
「……今なら、違ってしまうんだろうな」
誰もいないのをいいことに、声が零れる。
返事はない。分かっている。
君はもう、あの頃の場所にはいない。
自分もまた、戻れないところまで来てしまった。
胸の奥が静かに軋む。
痛みというより、もっと鈍く、重いもの。
両手を強く握る。
爪が食い込む感覚で、ようやく現実に引き戻される。
___選んだのは自分だ。
距離を置くことも、言葉を飲み込むことも、全て。
守るためだと、そう思っていた。
けれど、本当は。
失うのが怖かっただけなのかもしれない。
「……情けないな、」
乾いた笑いが喉を擦る。
誰にも聞かせるつもりのない声。
それでも歩みは止めない。
止まらない。
止まってはいけない。
やがて、回廊の出口が見える。
光が強くなり、影が短くなる。
一度だけ、瞼を閉じた。
胸の奥に焼き付いたままの背中を、無理やり奥へ押し込めるように。
静かに目を開ける。
全て忘れることができればそれでよかった。
そんなことは出来なかった。
だから、せめて、もうこれ以上関わることがありませんように__
そう心の何処かで願うしかなかった。
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