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「――陛下！」
なりふり構わずにお部屋へ飛びこんだわたくしに、黒檀の文机で書きものをなさっていた陛下がゆっくりと立ちあがってくださいました。
「おやおや、そんなにあわててどうしました。といっても、貴方がどのような用件で私のもとにやってきたのかは、だいたいわかっているつもりですが――」
そうやさしくいって歩み寄ってくださる陛下をまえに、わたくしはいよいよ安心して、もうこの方にすべてを任せれば大丈夫だと思って、
自分でも驚くほどに体の力が抜けてその場にぺたんと座り込んでしまいました。
「――アイリス、大丈夫か！」
突然のことにぎょっとなさって、口調を取り繕うことなくいってわたくしのもとに駆け寄ってくださった陛下は、わたくしをいたわるようにその場にかがんでくださいました。
わたくしは、陛下にこのようにご迷惑をおかけして恥ずかしい気持ちと申しわけない気持ちでいっぱいになりながらも、 ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
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