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「なら、よかった。もし拒まれたら、どうしようかとも思ってたんだ」
仕事中のシャープな顔つきとは違う、ふわりとした優しげな笑い顔が向けられて、「でも……」と、戸惑いが募る。
「でもどうして、ミコ&リコのグッズを私とペアで持ってることを、チーフは知られてもいいんですか?」
さっきは自分の本音を口走ってしまったこともあって、チーフ自身の確かな胸の内を知りたかった。
「それは、」と、矢代チーフが口を開いて、何を言われるんだろうと思わず息を呑んだ。
「それは、好きだからだろ」
「……。……好きって、ミコ&リコがですか?」
まさか……? とは一瞬感じたけれど、信じられないような思いが、それを上回った。
「ああ、そうか、まだ伝わってなかったのか。もうわかってくれているのかもしれないと、僕の方では感じていたんだがな」
チーフはそう話して、メガネの奥の瞳を気恥ずかしそうに細め、フッと小さく笑みをこぼすと、
「君が、好きだってことだ」
そのまさかの一言を、私に告げた──。