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どうも皆さんゆっぴーです☆
続き
「雪解けの約束 ー Long ver.」
文化祭。
私は装飾リーダーになった。
「大丈夫?できる?」
友達に心配されながらも、やる気だけはあった。
でも――
本番前日、脚立から落ちて装飾を壊してしまった。
みんなの努力が、ぐしゃっと崩れた。
「ごめん……」
空気が重くなる。
「時間ないよ」
「どうするの?」
その言葉が刺さる。
私は逃げるみたいに教室を飛び出した。
トイレで、声を押し殺して泣く。
(私なんて、やっぱり足引っ張るだけだ)
コンコン。
「……いる?」
朝比奈くんの声。
「帰って」
「無理」
即答だった。
「開けろ」
しばらくして、私は観念した。
目を真っ赤にしてドアを開けると、彼は一瞬だけ眉を寄せる。
「……泣きすぎ」
「だって……」
言葉にならない。
すると彼は、ハンカチを差し出した。
「ほら」
「持ってるんだ、そういうの」
「……常備してるだけ」
絶対うそだ。
「私、迷惑ばっかりで」
「違う」
強い声だった。
「お前がいなきゃ、あそこまでできてない」
「でも壊した」
「直せばいい」
「時間ないよ」
「俺がやる」
「え?」
「一緒にやる。終わらせる」
その目は、まっすぐだった。
「……なんでそこまでしてくれるの?」
沈黙。
廊下の向こうで、文化祭準備のざわめき。
彼はゆっくり言った。
「好きだから」
心臓が止まる。
「お前のこと、好き」
真っ赤な顔で、でも逃げずに。
「泣いてるの、嫌なんだよ」
涙が、またあふれる。
今度は、あたたかい涙。
「私も……好き」
彼は一瞬目を見開いて、それから小さく笑った。
その夜、二人で残って装飾を直した。
脚立を押さえてくれる手が、ずっと優しかった。
文化祭当日。
教室は誰よりもきれいだった。
拍手の中で、彼が小さくつぶやく。
「泣き虫」
「うるさい」
でも、手はしっかりつながっていた。
次回最終回
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おもろえ