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鷹槻れん

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鷹槻れん

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#年の差
水無月 京
84
#大人の恋
月詠 涼
1,024
ミヤマの仲居がそろって着る鮫小紋の茶衣着。あげた顔は、俺が会いたくてたまらなかった彼女だ。
「は? え? なんで?」
あまりにもパニックになっていて、自分でも何を言っているのか分からない。
なんで彼女がここに。しかもその服を着て。
ミヤマは夜の回が始まったばかりで、まだ客はそんなに入っていない。
もちろん奥に行けば他にも仲居はいるはずだが、今はここにいるのは、俺と彼女、ふたりきりだ。
上がる心拍数。喉が締め付けられるような感覚に、抱えてきた気持ちがうまく言葉になってくれない。
ただじっと彼女を見つめて、ようやく出せたのは、驚くほど腑抜けたような声だ。
「……なんだよ」
俺の視線を受け止めていた彼女は、最初戸惑っていたようだが、唾を一度飲み込んでようやくひと言発した。
「いらっ……しゃいませ」
仲居らしい控えめな笑顔を見せ、もう一度頭を下げる。
「ここに勤めたのか? 聞いてないぞ?」
「今日から正式採用です。深山様、ご予約はございますか? お部屋にご案内いたします」
「ああ。桶川の名で……ああもう、あいつもグルか」
やってくれたな、あの野郎。
てことは、あいつは咲坂の連絡先を知っていたのか?
だったら教えろよ。
知っているだなんて思わないから、聞いてみたこともなかった。
なんだよ、灯台下暗しってやつじゃないか。
彼女に案内されて通された部屋はもぬけの殻だ。
「桶川さんはまだいらしてないんです。中でお待ちください」
じゃああいつはいったいどこからかけてきたんだ。何もかも仕組まれていたようでイライラしてくる。
俺が不機嫌さをあらわにしていると、彼女は口もとに微笑みを浮かべたままそっと湯呑を差し出す。
どうやらいつの間にかお茶を入れてくれたようだ。
そつのない動き。服装のせいか表情も引き締まっていて、以前よりクリアな瞳をしているような気がする。
彼女は俺の視線を受け止め、バツが悪そうに笑った。
コメント
1件
第62話、読み終えました……! 深山がずっと待っていた彼女が、まさか「ミヤマ」の仲居として現れるなんて。あまりの展開に一緒に「は?」って声が出ました(笑)。桶川がグルだったっていうオチも、彼らしいやらかし方で笑っちゃいましたね。 それ以上に、彼女の「いらっしゃいませ」という一言に、深山がどれだけ衝撃を受けたかが目に浮かぶようでした。着物姿で凛としている彼女の姿、すごく素敵だったと思います。 この再会、深山にとっては怒りよりも、胸がぎゅっとなるような気持ちの方があるんじゃないかな……続きが気になります!