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次の日から、うりとのあはよく話すようになった。
昼休み。
「今日パン買えなかったんだよね。」
のあが少し困った顔で言った。
うりは自分のパンを半分に割った。
「食べる?」
のあは少し驚いた顔をして、それから笑った。
「ありがとう。」
二人で食べたパンは、なぜかすごく美味しかった。
それからというもの、
帰り道も一緒になることが増えた。
ある日、のあが聞いた。
「うりってさ、なんか不思議なんだよね。」
うりの心臓が一瞬止まりそうになった。
「どういう意味?」
「うーん…」
のあは空を見上げた。
「なんか、消えちゃいそうな感じ。」
その言葉に、うりは何も言えなかった。
本当だったから。
うりは少しだけ普通じゃない存在。
それを知られたら、きっと離れていく。
だから――
「そんなことないよ。」
笑ってごまかした。
でも、のあはじっと見ていた。
「でもね。」
「?」
「うりがいなくなったら、悲しいな。」
その言葉を聞いた瞬間、
うりの胸がぎゅっと痛くなった。
(こんなに嬉しいのに…)
(こんなに苦しい。)
その帰り道。
夕焼けがとてもきれいだった。
のあが言った。
「また明日ね。」
その一言が、
うりにとって世界で一番大事な言葉になっていた。
でも――
その時、うりの影は少しだけ薄くなっていた。
まだ誰も気づいていない。
この恋が、
普通の恋じゃないことに。