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犬の動く振動で目が覚めた。ぐっすり寝ている。秋になったというのに、半袖半パンで、腹を出しながら寝ている。あいにく俺には、背を向けているが、
――……可愛い。
目の前にある真っ白なふっくらとした首。
――……美味しそう。
首にキスをした。触れるだけのキス。サラッサラの肌が心地よく、舌でぺろっと舐めた。それに反応して、体がピクっと動いた。
――……可愛い。
全てが可愛いすぎて、ハグをした。居心地のいいハグ。頭が動いて、起きたと思ったら犬「強い、」そう言って、彼の体にまわしていた手を退けられた。
だが、愛らしいのが、どけた手をとって。俺に向けていた背中を、ひっくり返して、向かい合うようにこっちを向いた。可愛い行動に思わず笑った。
柴「早く起きろよ。」
耳の近くでそう言うと体がピクリと動いて、
犬「おはよぉ」
少しずつ、目を開けながら、ニコッと笑っている。猫みたいに手足を伸ばして、俺に抱きついた。
柴「また、間違えたのか?」
犬「違う、寒かっただけ。」
俺たちは、同じ家に住んでいる。だか、一緒の部屋で寝ると言った覚えは、ない。個人の部屋がある。
柴「その癖、気おつけろよ?」