【アラスターside】
ヴォックス「ハッハッハァ!これはまた酷い言われようですね!」
ヴォックス「住人の意思を尊重してやろうと・・・そうは思わないのですか?プリンセス?」
ヴォックス「彼女は自らの意思で荷物をまとめ、自分の足でホテルを出て行ったのですよ」
ヴォックス「それをあなた様の思い込みで無理に連れ戻そうなど・・・あんまりじゃあありませんか?」
チャーリー「そ、そんなこと・・・!」
アラスター「・・・・・・・・・」
饒舌に嬉々として語る、ヴォックスのこの口調。
明らかに、こちらを挑発しているのだろう。
――――ああ、腹が立つ。
もちろんヴォックスにも・・・・・・好き勝手されるがままの〇〇にさえも。
言葉に形容しがたい苛立ちが、腹の底からどす黒く沸き上がってくるような感覚。
アラスター「・・・・・・仕方がありませんね」
ステッキを握る手に一度力を込めてから、臨戦態勢を解く。
アラスター「惜しい料理人を失うことにはなりますが・・・」
アラスター「どうやら、代わりを探さねばならないようです」
ヴァギー「アラスター!?」
アラスター「彼の言う通り、本人の意思というのは尊重されるべきでしょう?」
アラスター「・・・本当の意思ならば、ですがねぇ」
含みを持たせた言葉と共に、忌々しげにヴォックスを見据える。
すると腹立たしいことに、余裕たっぷりといった様子の彼と視線がぶつかった。
不快感をよりいっそう深い笑みで覆い隠し、住人たちへと向き直る。
アラスター「さ、そうと決まればここは一旦ホテルへ戻りましょうみなさん」
ハスク「なっ・・・おいボス、どういうつもりだ!?」
ヴァギー「そうよ、何言ってるの!?」
目を見開いて抗議する一行に有無を言わさず、全員を影の中へと引き込んでいく。
チャーリー「ちょ、ちょっと待ってアラスター!まだ〇〇が・・・・・・!」
エンジェル「おい待てって!放っていっていいのかよ!?」
騒ぎ立てる抗議の声は、この際聞こえないふりをした。
我々が姿を消す直前、ヴォックスは〇〇の腰に手を添えてその身体を更に引き寄せる。
その当人である〇〇の視線は、僅か一瞬だけこちらを捉えたようにも見えた。






