テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
あれからもうすぐ1週間経つが、一向に命が謝ることはない。それどころか咲月と仲良さげに話をしている場面に遭遇する。そのたびに命は焦ったような顔をして逃げようとする。
まさか咲月が“あのこと”を言ったんじゃないだろうな……。
「……且功様、お呼びですか?」
「ああ。お前に聞きたいことがある。最近、命と仲良さげに話しているが何があった?命は何故僕の顔を見て逃げようとする?」
「そんなこと、俺に聞いてどうするの…?」
「命を処分しようとしていたやつが、何事もなかったかのように命と仲良く話すなんておかしいだろ。」
「……妬いてるの…?」
「そういうことを言ってるんじゃない。何故、命を処分することをやめた…?」
「そりゃあ、且功の命令だから……?」
咲月が透かしたような笑みを見せる。確かに僕の玩具だとは言ったが、それが咲月が納得できるような理由には思えない。時折見えた黒く濁ったようなオーラも減っている気がする。
「く……命令だ。今日から命は僕専属のメイドにしろ。」
「でもお仕置きして口きかないんだろ?」
「僕の命令は絶対だ!いいか、後で僕の部屋に戻るよう命に伝えろ。」
「自分で伝えれば?」
「僕に詫びろって言うのか!?」
「……たしかに俺はマイペースで相手を自分のペースに引きずり落とす且功が好きだけど、今回のことは大人気ないと思うよ。」
「なんで急に命の肩を持つようになった。命令だ、答えろ!」
「……命が謝る必要がどこにある……?」
「お前、今なんて……」
「み・こ・と。そう言っただけだよ?」
「僕に逆らうならお前なんて」
「……解雇でもいいよ……?俺は。そうしたら、命と二人で出ていく。」
「なんでだよ……なんで、皆僕から離れていくんだ!」
「それは、且功が自分から近づこうとしないからだよ。」
涼しげな顔をして部屋を出ていく咲月。何故…僕が頭を下げなければいけない。僕の玩具が僕に歯向かったんだ。悪いのは命だろう。
『二人で出ていく。』
胸にある何か分からない感情と共に僕は部屋を駆け出した。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!