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アリト
350
煙
2
Raphael
326
でも…
そう簡単に行かなかった。
アリスの彼が事故に遭った。
私は焦った。
アリスに“悲しみ”を生んでしまった…と。
でもアリスは、明るく振る舞った。
私はそれを見るたびに苦しくなった。
どうにかしてこの子から“悲しみ”をなくしたかった。
ある日。
アリス「聞いて!」
アリス「好きな人ができたの!」
私は嬉しい気持ちと共にまた“悲しみ”を生ませてしまうのではという不安がよぎった…
アリス「名前はアムって言ってね!」
アリス「小悪魔なの!」
“小悪魔”
アリス「それでね。今度、私も小悪魔になろうかなぁ…って!」
「でも…!“小悪魔”なんかになったら…記憶が消えて…」
アリス「大丈夫!絶対に今までのこと覚えてるよ!」
結局。
何ひとつ覚えていなかった。
でも、これもアリスのため。
そう思うと心が軽くなった。
私に残ったのは“孤独”だった。
アリスは幸せなんだ。
あの子が幸せになればなんだっていい。
それから何年後だろう。
アリスの“異変”に気づいた。
アリスは自分の父、ボルストを操っている。
なんのためかは分からない。
これはアリスが幸せになるための行為だ。
なのに。
アリスが好いている“アム”という小悪魔は、アリスを止めようとする。
アリスの今までの“苦しみ”を知らない。
そんな者がなにをしようとアリスを救えないというのに…
そしてアリスはついにアムと戦うことになった。
だが、アムに負けてしまった。
アリスは初めて本当に嬉しそうで悲しそうな顔をした。
私はそれを戦場の木陰で見ていた。
でも最後の言葉
「…!ありが…とう…」
アリスは私に気づいてくれた。
その言葉は私とアムに向けて言ってくれたような気がした。
私は思った。
全てアムのせいだ。
アリスの好意を得て、記憶まで消して、最後にはアリス自身を消して。
絶対に復讐してあのリボンを取り返す
いつしかそれが私の願いになっていた。
コメント
1件
うわあああ…アリスを守りたい一心で全部を背負ってきた語り手の心情が切なすぎる…。「小悪魔になって記憶が消えても覚えてるよ」って言ったのに全部忘れて、最後に「ありがとう」って言われたときの込み上げるもの、読んでて胸がギュッてなったよ。そしてアムへの復讐を誓うラスト、めっちゃ続きが気になる…! この感情の行き着く先はどこなんだろう…