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突然お母さんはかしこまって言った。
「鈴華、あなたに話さないといけないことがあるの。」
「なに?めちゃ真剣じゃん笑」
カッチコチに凍った空気は緊張しちゃうから嫌だ。そう思って和ませたかった。
「ここ、座って?」
お母さんはニコリともしなかった。
至極真面目そうな顔。
私の鼓動だけが早く、大きくなっていた。
「ふぅ、核心から話そっかな」
お母さんの顔は、何科を覚悟した顔だった。
あなたは、私と血が繋がってないの
そんな言葉を聞いた途端、目の前が暗くなった。
「え、?笑何言ってるの?ドラマじゃあるまいし笑」
そんなわけないと否定したくて。ドッキリでしたー!って言って欲しくって。
「ドラマじゃない。現実だよ。事実なの。」
お母さんは語り出した。
子供に恵まれなかった私の母。
それでも子供を諦めることは出来なかった。
医者に不可能と言われてしまい、不妊治療は断念することになった。
そんな母の元に一通のメッセージが来た。
「不妊治療、諦めたんだってね。もし良かったら私のところ見るためだけでも来てみない?」
そのメッセージを送ったのは母の友達だった。
その友達は児童養護施設の職員をしていた。
母は父へこと話をして、週末に二人で行くことになった。
実際に行ってみるとそこにはやはり多くの子供がいた。
みんな特別な事情を抱えていた。そのせいか見知らぬ男女のことを特別警戒し、母の友達の後ろに隠れる子もいた。
自我ができ始めると、警戒をとく段階から始めないといけない。
そのことに気づいた瞬間、母は私と出会った。
まだミルクが必要な年頃だった。
私は母を見た瞬間とびきりの笑顔で「あーう!」と言ったらしい。
「この子、引き取らない?」
父は1度悩んだが最終的に私はここの家の子になった。
「そうだったの..!?」
「えぇ、ほんとはそうだったのよ。」
「なんで、今まで黙って..!」
「あなたがどう思うのか、怖かったのよ。あと、どうせ教えるなら全ての事実が分かったあとがいいでしょう?」
「じゃあ、私の元の家は..?」
「坂倉財閥よ。」
坂倉財閥。ここらじゃ有名“だった”んだ。
倒産してしまったらしいけど。
「あなたは財閥が倒産して、育てきれないからと児童養護施設へ行ったのよ。」
「そっ、か…笑」
「ただ1つ、妙なことがあってね」
母は最近、私の”本当”の家を調べていた。
なぜ本当、と言うのかって?本当の家は財閥だろって?
それが、違ったらしいんだ。
書類上坂倉財閥の夫婦、2人が私の保護者だった。なので母はその2人に1度あった。
2人とも子どもに全く似ていなかった。
もしかしてと思って、DNA鑑定へ回すことにしたらしい。
母、私、財閥夫婦、その4人を検査に回した。
もちろん母と私は親子関係が認められなかった。
ただ1つ、おかしなことがあった。
夫婦は、私と血が繋がっていなかった。
母はどういうことなのか問い詰めた。
でも2人は「知らない」の一点張り。
「この子は私が腹を痛めて産んだ子です!それは間違いありません!」
そりゃ怒るだろう。当たり前だった。
だが、それはおかしい。
血が繋がっていない。つまり私は夫婦の子供じゃない。ということはどこかで入れ違ったりしたのか?
お腹を痛めて子供を産み、その後間もなく財閥が倒産。その間に子供が変わるはずがない。
じゃあいつ、どこで?
その疑問が母を苦しめた。
特別に警察の力も借りて、本格的に捜査した。
その結果、病院でとある事件があって、私はそれに巻き込まれたということが分かった。
そこで財閥の子供となってしまい、その後財閥は倒産し私は児童養護施設へ、その時母の養子となったということである。
「なんというか、すごいね」
最初にでてきた反応はそれだった。
自分の周りにあった事件があまりにも大きいものすぎて唖然としていた。
「結局、私はどこの子なの?」
1番重要なのはこれと言っても別に過言では無いだろう。
「霧雨。霧雨ってとこよ。」
「き、霧雨!?」
霧雨って、はるくんのとこだよね!?
「んで、あなたはこれからどうしたいの?」
「どうしたいって?」
「私達とこのまま暮らすのか、本当の家族の元へ行くのか。」
もちろんお母さんだよ!と言おうとして少し思った。
これ、はるくんを救うチャンスなんじゃ?
はるくんの問題は何よりもその家庭環境にあった。
だからその家庭に私も加われば、助けることが出来るのでは…!?
それに、合法的に今からはるくんと家族になれるチャンスじゃん。
ほんとは大人になるまで待とうと思ってたけど出来るなら話が早い。
まぁそりゃ思ってた家族ではないけれども笑
「私、本当の家族と住みたい。」
「そっか、」
母は寂しそうな顔をして頷いた。
「で、でも!お父さんもお母さんも大好きだから、週1は帰っていい?」
「もちろんいいに決まってるじゃないの…!」
かくして私は霧雨家の一員となったのであった。