先程の男の子の体温は相変わらず低く、
倒れ込んでいたため、取り敢えず探偵社に
運んだ。
国木田君には「此奴は誰だ太宰!!」と怒られたが其の時はどうでも良かった。
今考えるとその子が羽織っていたのは…黒い古びた羽織だった。お下がり様な物だったが、何処の組織だろう…と、考えている内に起きてしまった。
「やぁ。起こしてしまったかい?」
と軽く云ってみた。
すると、彼は
「そんなことないです…」と
瞳にハイライトが入っているとは思えない
暗い声で話した。不思議な声だ、と思った。
「質問しても良いかい?」
「はい…」
「先ず、貴方の名前は?」
「太宰…紅(だざいこう)…」
「太宰…?」
「え…?」
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