「俺涼ちゃんのこと好きなんだ。」
ドキッとした。
それと同時に、心がざわめく。
元貴が僕を好き?
(あぁ、違う…。)
仲間としての“好き”だ。
直前に若井に恋してるとかどうとかの話をしたもんだから勘違いしちゃった。元貴もちょっと酔っぱらってるって言ってたもんね。てか、なんでがっかりしてんのよ。それじゃまるで
「ぼくももときだいすき!」
そうだ。
僕、元貴が好きなんだ…。
仲間とか友達じゃない、もっと大切な“好き”。
「涼ちゃん。」
酒のせいだけじゃない、名前を呼ばれて気持ちがふわふわする。
「好きって言って?」
改めて言うと恥ずかしい。ので、酔った勢いで
「すきー!」
元貴は楽しそうにほほ笑んだ。
「うん、今はこれでいいかな。」
元貴の考えてることはわからないけど
確かにこのままでいい
隣にいられなくなるよりかは
この関係のままが一番いいと思った
気づいた時僕はソファーに横になっていて、毛布が掛けられていた。ある程度飲んでたせいか、缶チューハイ1本で眠ってしまったようだ。
「元貴…?」
外はまだ薄暗い。スマホを確認すると2時過ぎだった。
流石に元貴も寝てるかなと思ったけど、作業部屋にしてるとこから微かに音が聞こえる。
(こんな時間まで…。)
作業中は集中しているため、話しかけない近づかないがチーム内の暗黙のルール。僕も眠いし、そのまま寝ることにした。
(…元貴の匂い…。)
毛布から元貴の匂いがする。まるで元貴に包まれているような感じがして、変な想像してしまう。
(何考えてんだ僕は…。元貴が一生懸命作業してる時に…。)
周りに自分しかいないが、なんだか恥ずかしいような申し訳ないような気持ちでいっぱいになった。
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