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今日は本当に平和だな~。お父さんとお母さんが旅行でいないから、家の中はすごく静か。でも、そんな静けさの中に、ちょっとだけ騒がしい存在がいる。それが、私たちの弟、大和。
「ねぇ、大和~、それほんとの話なの~?」有紗が興味津々で、大和に向かって話しかける。
「う、うるさい!そんなこと言うな!」大和が顔を真っ赤にして反応するのを見て、私はつい吹き出しそうになる。普段はしっかり者な大和が、恋愛の話になると途端に不器用になって、まるで小さな子供みたいになっちゃうんだよね。ギャップすご…。今日は、そんな大和がまた面白くて、思わず目を細めて見てしまった。
大和の恋愛話になると、必ず有紗にからかわれる。彼女はしょっちゅう「大和は誰が好きなの〜?!」とか言って、無理に引き出そうとするから、大和はいつもとても焦ってる。それが私にとっては、ちょっとした楽しみになっているのかも。
「本当に何もないって!だいたい、そんな話をするのが恥ずかしいんだよ!」大和が叫んだ。
私はリビングで静かに本を読んでいたけれど、どうしてもそのやり取りが面白くて、思わず口を開いてしまった。「でも、大和、さっきちょっと言ってなかった?気になる人がいるって。」
「うわっ…!」大和がギョッとした表情をして私を見た。もう完全に動揺してる。「そ、それは…!」
「おおお~!やっぱり!」有紗がさらに楽しそうに笑いながら、冗談っぽく言う。
その瞬間、萌音がリビングに入ってきて、場の空気を読んだのか、ニヤリと笑って言った。「あ~、やっと気になる人の話が出てきた!大和、どんな女の子なの?教えてよ!」
「う、うるさいっ!」大和は顔を真っ赤にして、部屋の隅でじっとしていた。普段、あんなに冷静で理性的な彼が、恋愛話になるとこんなにも焦るんだって、私たち姉妹はちょっと驚きだ。
「もしかして、千奈ちゃんのこと?」萌音が冗談を言った。あれ?千奈ちゃんって、清水千奈、あの真面目で頑張り屋さんな委員長のこと?大和がずっと前から気になってるって、私、前にちょっと聞いたことがあるんだよね。
大和が一瞬固まり、でもすぐに首を横に振って否定した。「な、なわけないだろ!あんな真面目な子、俺には無理だって!」
「えー、でもあんなに頑張り屋さんなところが素敵じゃない?」私は思わず言った。だって、千奈ちゃんって、学校でもすごく頼りにされているし、正直すごく素敵な女の子だと思うんだ。大和にはすごく合ってると思うけど…。
「そうそう、千奈ちゃんなんてどう?」萌音がさらに追い打ちをかける。「しっかりしてて、真面目で、頑張り屋さんで、絶対にいいカップルになるよ?」
大和はますます顔を赤くして、まるで火照ってるみたいだった。「いや、だから!違うって!」
「じゃあ、誰なの?」有紗が、興味津々で食いついた。あの有紗がこんなに真面目に恋バナをするなんて珍しいな。
大和はしばらく黙っていたけれど、ついにぽつりとつぶやいた。「…千奈みたいなタイプ。」
その瞬間、私たち全員が静かになった。え?大和が、千奈ちゃんのことを気にしてるってこと?私が思っていた以上に、彼は自分の気持ちに気づいていたんだ。
「やっぱり~、大和、千奈ちゃんが好きなんだ〜」有紗が嬉しそうに叫んだ。
「うるさい!」大和は、また顔を真っ赤にして、慌てて隠れるように部屋を出て行った。
「わっ!」
冬亜が聞き耳立ててたみたいw
その後、私たち姉妹は笑いながら、しばらくその話をしていた。でも、私はちょっとだけ大和に対して心の中で微笑んだ。恋愛のことに関しては、彼は本当に不器用で、でもその不器用さが可愛いんだよね。きっと、千奈ちゃんも、そんな大和の素直な部分を気に入るんじゃないかな。