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実は、クリニックで……

洋平が退室したあとに、こんな説明を受けていた。


「奥様が妊娠すると、案外質問されることがあるのだけどね……」と始める女医さん。

「はい」


「妊娠中は、セックスしてはいけないのですか?って……」

「あ〜」


「私は、きちんと答えるようにしてるの。

大丈夫ですよ。ただし、激しくしないこと!

特に妊娠初期は、奥様を労りながら……

まあ、後期は、難しいことも増えるけど……

愛し合うスキンシップなら、色んな方法があるでしょう?だから、絶対にダメ!なんて言わない。

そのために、ご主人が一緒にいらしたら、私は一緒に診察室に入ってもらってエコーを見てもらうの。

実は、反応を見てたの。

いろんな事情を抱えてる方がいらっしゃるので、もちろん夫婦のことには介入しない。

でも、妊婦さんから旦那さんが浮気してるかも?などの悩みを聞くことも少なく無いから……

それに、性病を遷されたりね。

ご主人も見た感じ、イケメンだし心配じゃない?」


「あ、はい」


「まあ、とても喜んでたから大切にされるとは、思うけど、一般的に頭と体は別物だからね。

ストレスを溜めないためには、まず、妊婦さんの体調が一番なのよ。

そのために、希望者に私はこの冊子を渡してるの。

ご夫婦で読んでもらいたいから……不安なことや悩みがあればいつでも、この相談ダイヤルへ。素敵なマタニティーライフを送りましょう!」


「ありがとうございます。いただいて帰ります」



早速、家に帰って冊子に目を通す。

洋平にも理解して欲しいから、一緒に読む。


「へ〜そうなんだ。してもいいんだぁ」

やっぱり、心配してたのか? 喜んでいる様子。


いきなり、チュッ

普段と変わらない。

──良かった、私たちは、大丈夫よね?


そう思っていた……


翌朝、

「美優〜産休取るって会社にも話しておかないとな……」

「そうだね〜」

美優は、産休を取るか?辞めるか?実は悩んでいた。


「部長に俺から話しておこうか?」

「ううん、待って!安定期に入るまでは……」

「そうだな。ごめん」


「ううん。そのために、片岡さんを育ててるし、 まだ、人事部長には、知られたくないし……私から話す」

「分かった」


「片岡さんにだけは、今日話す。引き継ぎ急がなきゃダメだから……」

「分かった!」


「洋平!」

「ん?」


「産休を取るのか?辞めるのか?も話し合いたい」

「うん、分かった。じゃあ今夜ゆっくり話そう」

「うん」

チュッ


「うぅ、おぇ〜」

「え?」

「あ、ごめん、悪阻つわりが……」


──なんか、ショック……

「あ、そうだよね〜大丈夫?あは、」

──ショック……


「うん……なんかごめんね」

「ううん……」

──泣きそう……




そして、出社

普段通り仕事を熟す美優。

でも、ゆったりとした気持ちを心がけて……



と、1人の女性が訪れた。


「久しぶり〜元気だった? 洋平く〜ん」


『洋平く〜ん⁈』


──何?誰?洋平くんって、名前呼びするこの人は?



「あ、お久しぶりです」

「ヤダ〜|畏《かしこま》っちゃって」


チラッと美優の方を見る洋平


──ん?今、確かにこちらを見たよね?


「あの〜ココは会社ですので……」

「あら〜ごめんなさいね。つい……」



「お〜誰かと思ったら、宮本くん、あ、いや今は、 岸本くんか!」

「あら〜《《部長さん》》お久しぶりです。私が居た頃は、《《次長さん》》でしたわよね。昇進おめでとうございます」


「いつの話をしてるんだ、ハハハ、で、今日はどうした?」

「あ〜主人に届け物があったので、ついでに、久しぶりだから、いろんな部署を回ってご挨拶に……」



「お〜そうか、ゆっくりして行きなさい」

「ありがとうございます」


──余計なことを!部長‼︎と洋平は思った。

今すぐ帰って欲しいのに……


「ね〜洋平くん、あ、杉野くん!マレーシアから帰って来たんだよね?」

「はい、4月に……」


──美優の耳は、見えないけれど、2人の会話に集中し、まるで、耳が大きくなっているようだ


「で、課長昇進! おめでとう」

「ありがとうございます」


「主人も驚いてたわ、異例のスピード出世だって……」

「いえ、恐縮です」


「《《逃した魚》》は、大きかったな!って嫌味を言われちゃったわ。ふふ」

「いえ、人事課長さんの足元にも及びません」


──《《逃した魚》》?あ!この人が、洋平の元カノ!


私が入社する前に、1年だけお付き合いしてた人が居たって洋平から聞いたことがあった。


2つ年上で、彼女の方から言い寄られ、付き合った。

彼女は、結婚願望が強く、すぐにでも結婚したがってたけれど、まだまだ若い洋平には、未知の世界で……

そのうちに、彼女は人事部の人と付き合い、あっさり振られ、すぐに結婚した!と……


──ん?順番が逆?二股?って思ったんだった


その張本人が、今、目の前に現れた。


豊満な胸を強調して、色気のある年上女性だ。

でも、結婚して、今は、《《オバサン》》化しているように見える。

派手な服装に、香水をプンプン匂わせて、

さっきから、|悪阻《つわり》で気分が悪くて、吐きそうなんだけど……

わざわざ、元彼を訪ねて、誘惑でもしてるつもり?


──洋平!動揺しないで!誘惑されないで!


「杉野くん、ランチでも一緒にいかが?」


──誘った!


「すみません、俺、結婚したばっかりなんで!」


「あら〜そうなの? おめでとう!

でも、どうして結婚したら、ランチも一緒に行っちゃいけないの?」


聞いてられない!

吐きそうだし、なんだか怒りを通り越して、

泣きそうになって来たし……

なんだろう?この変な感情。

あ、これがマタニティーブルー?

マタニティーストレス?


トイレに行こう。

洋平と、《《オバサン》》の横を通ろうとした時、 洋平が私の腕を掴んで

「《《妻》》の美優です」


「あ、あら〜はじめまして……若くて可愛い奥様ね」

「はじめまして……《《主人》》がお世話になっております」

気分が悪く、いつも皆さんに挨拶するように、言ってしまった。


「あ〜いえいえ、今は、《《お世話》》してないのよ〜

そりゃあ、こんなに可愛い奥様がいらっしゃったら、私のランチなんて断るわよね、うふふ、じゃあ、杉野くん、奥様!お幸せに……失礼します」


「失礼します」と頭を下げた。


洋平が気まずそうに、美優を見てる

「美優……」


「トイレ行こう!」

洋平を交わして、美優はトイレへと向かった。



美優がトイレから出て来るのを待っていた洋平。

「何? ストーカー?」


「オイ、美優〜」

「今は、何も聞きたくない!」


「美優〜」腕を掴まれた時

ポロッと涙が|溢《こぼ》れた


「え? 美優? ごめん」

「ううん、なんでだろう? 泣くつもりなんてなかったのに……おかしいなぁ〜」


洋平は、美優を会議室に連れて行き、鍵を閉めた。


「ごめん、美優」涙を指で拭う洋平。

「どうして謝るの? 洋平は、何も悪くないでしょう? 昔のことなんでしょう?」


「うん、そうだよ、昔のことだよ。でも、美優が泣いてるから……」

「ごめん、なんかホルモンバランスが崩れてて、勝手に涙が……」

そう言うと、また、涙が……


洋平は、美優をぎゅっと抱きしめた。


「昨日の冊子、最後まで読んだよ」

「そうなんだ」

美優は、途中で眠ってしまっていた。


「妊娠中は、過度のストレスを与えちゃいけない。 ごめんな、俺のせいで……」

「ううん、普段なら過去のことだし、気にならないと思うのに……自分でも分からない」


「うんうん、怒っても、泣いても、俺が全部受け止めるから……俺が美優と赤ちゃんを守るから……」

「うん……グスン、じゃあ、浮気しない?」

と、洋平を見つめた。


「しないよ!」

「絶対?」


「絶対!」

「巨乳を見ても?」


「もちろん!」

「今、一瞬笑った」


「笑ってないよ、美優が変なこと言うからだよ」

「だって、さっきの人、大きかったもの……」


「いや、美優だって、これから、だんだん大きくなるんでしょう! 2サイズぐらい大きくなるって書いてあったから、つい、ニヤけてしまう」

「もう! 変態!」


「いやいや、美優ちゃん、夫婦だから……俺は、美優のしかイヤだから……」

「ふふ」


「良かった、美優が笑った」

チュッ


「う〜ん、うぅッ」

「なんで? 俺のチューにも、オェって……ショックだよ〜」


「だって、|悪阻《つわり》だもん仕方ないじゃない!」

「そうだな、治まるまで我慢するよ。はあ〜」


美優は、息を止めて、洋平にキスをした。

「美優〜♡」


「仕事戻るよ」って、洋平の唇を指で拭いた。

「うん♡」


──どっちが上司か分からないや……




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