テラーノベル
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定時まで働いて、「お先に失礼します」
美優が帰ろうと思ったら……
洋平が後ろからついて来た。
「美優、マンションの下まで送る」
「え? 大丈夫よ。10分だし……それより、仕事大丈夫なの?」
「うん、ちょっとぐらい大丈夫」
「もう、気にしてないから……」
「ううん、心配だから……」
「ふふ」
マンションのエレベーターに乗り込むまで見てる洋平。他の人と一緒に乗るのも、危険だから……と、
過保護が始まった。
1人、乗り込んで手を振る。
走って会社に戻るのが上から見えた。
「パパありがとう。頑張って!」
夜、洋平が帰って来た。
「ただいま〜」
「お疲れ様〜」
キスしようとして、「あ! 今は、無理だな……」
軽くハグして、そのままお風呂へ
なんだか少し申し訳ないような気になる。
家用の布マスクをして、料理をし、洋平がお風呂から上がってくるのを待った。
お風呂から上がって、頭をわしゃわしゃ拭いている。
相変わらず、引き締まったカラダは、カッコイイ。
椅子に腰掛けて、ジッと見つめてしまった。
ニヤける
「ん?」
「ううん」
でも、目が離せない。
微笑みながら、ジーっと見つめてしまう。
昼間の元カノのことを思い出してしまった。
「洋平!」
気づけば、洋平の胸に顔を埋め抱きしめていた。
「どうした?」
「しばらく、こうしてて……」
「うん、いくらでも……♡」
──キスされたら、エズイてたのに、お風呂上がりの
肌の匂いは、大好きな洋平の匂い
「顔を見上げる」
自分からは、キスしちゃいけない!と、我慢してる
洋平
背伸びしてキスをする
「美優〜大丈夫?」
「うん」
何度も何度もキスするから、洋平もたまらなくなって
唇を重ね、舌を絡める
気持ちいい〜
やっぱり大好き♡
「ふふ、久しぶり♡良かった、美優が笑ってる」
「ふふ、ご飯にしよう」
「うん」ようやく服を着れる洋平
洋平のご飯をお茶碗によそおうと思ったら……
「うぅ〜」
「あ、自分でやるから大丈夫だよ。美優は?」
「要らない……匂いが無理〜」
どうも炊き立てのご飯の匂いが一番ダメらしい。
「何か食べられる?」
「トマト、きゅうり」
「え〜それだけじゃあ栄養が心配だなぁ〜他に食べたい物は?」
「グレープフルーツのルビー」
「え? 普通のじゃなくて? ルビー限定?」
「うん、だってお腹の子が、そう言ってるの。私じゃないのよ」
「そ、そうなんだ。買って来ようか?」
「ううん、先に食べて♡」
「分かった」
──先に食べて♡と言うことは、後で買って来て!ってことだな……
ご飯を食べて、食器を洗ってくれる洋平。
そして、近くのスーパーへ
残念ながら、グレープフルーツのルビーは置いていなかった。
仕方ない、もう1軒、コンビニへ
こちらもルビーはなかった。
──普通のならあるのに……
そして、ルビーの果肉が入ったゼリーならあった。
「これで勘弁してくれないかなぁ?」
「あ!」
冷凍フルーツにルビーを見つけた。
──素晴らしい!神だ!
これなら、きっと赤ちゃんも満足してくれるはずだ
「美優〜」
ソファーでウトウト休んでる。
常に眠くなる!と書いてあったな……
──疲れてるし、ゆっくり休ませてあげよう
しばらくして起きた。
「あ、ごめん、寝てた」
「いいよ、寝られる時に寝ると良いよ」
「お腹空いてきた」
「あ、美優、良いのがあったよ」
「ジャーン! 冷凍、ピングレ」
「へ〜すごいね、こんなのあるんだ。便利だね、ありがとう〜」
「何個か解凍しておいたよ。一応果肉入りゼリーも何個か買って来た」
「ありがとう〜じゃあ食べる〜」
美優の晩ご飯は、トマト、きゅうり
ピングレゼリー
冷凍ピングレ
「う〜ん、美味しい〜」
これだけだと、結局、あとでお腹が空くわけで……
「洋平、分かったの!」
「何?」
「私、お腹が空くと気持ち悪くなるの!だから、おにぎり握って食べよう!」
匂いがダメだから、いちいちマスクをして、1つ握って食べる。
「うん、治まった」やはり空腹がダメらしい。
「ふふ、赤ちゃんも頑張ってるんだな」
「うん、そうだね、常にお腹が空くと気分が悪くなるから、小さなおにぎりをたくさん作っておくわ。1回で1つしか食べられないから……」
「握ろうか?」
「大丈夫だよ、ありがとう」
洋平も美味しい!って1つ食べた。
「あ!一緒に食べてたら、太るよ「
「そうだな、でも美味い、ふふ」
「ふふ」
「美優、会社の話だけど……」
「うん」
「どうする? 産休か辞めるか?……」
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