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『セリフ』=舞生
「セリフ」=唯兎
𓂃𓂃𓂃舞生サイド𓂃𓂃𓂃
元々、人に意識される人生ではあった。
幼稚園児から、ずっと。
〜まきくん、わたしね、まきくんとけっこんしたいなっておもってるの!〜
〜私、いといくんのこと好き、〜
〜舞生くんだぁ…!今日もかっこいい〜♡〜
〜分かるー!付き合えたらいいよね…♡〜
好きだと言われることは正直慣れてしまっていて、高校生になって、知らぬ間にほとんど動じなくなっていた。
普通の友達が欲しい、段々そう思うようになってきていた頃、クラスの男子の会話が聞こえてきたんだ。
〜俺さぁ、気になってんだよな…〜
〜誰だよ?wまさか千星か?w〜
〜ッ…〜
〜うわぁ図星ぃ?wおもしろw〜
〜でもアイツ可愛いよなぁ、そこら辺の女子より可愛い〜
〜ちょ、お前声でけぇってww〜
〜あーwごめんごめんww〜
千星。その時は同じクラスだということに気付いていなくて、なんとも思っていなかった。
…でも、話してみると予想を飛び越えてくるような人で。
「まーきくんっ♪」
「舞生くぅん、」
とか
俺の名前を色んな感情で呼んでくれた。
今まで俺が見てきた女子と同じ感じがしたけれど、それと同時に何かが違う感じもして。
それから千星と話すとなにかがずっと胸に引っかかっているような、ヘンな感情に頭が支配されて。
それがこの間、本当の千星を見た時に更に大きくなって。これと同じかは分からないが、千星が 女子と話しているところを見ると胸が刺されたような何とも言えない痛みに襲われるのはなんなのか。一体この感情の名前はなんなのだろうか。本当にこの世に存在する感情なのだろうか。千星に言えば…バカにはされないだろうが、もしもを考えると少し怖くて。
なにも言えない日々を過ごしている。
𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃
きっと…俺が千星に話せば霧が晴れるのだろうが…そんなことをする勇気は勿論俺にはない。この不思議な気持ちに名前がつけられるようになる日は来るのだろうか。