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すごい速さで何かが動き、空を切る。
何かが破裂するような乾いた音が石壁に跳ね返って大きく響き、身体に衝撃が走る。
それからそこがまた、燃えるように痛みだした。
光は入らない。それどころか、窓もない。
埃っぽくてかび臭い。
ギイは冷たい床に転がり、遠のいていた意識をどうにか掴んでまぶたを薄く開いた。
――ああ。
ギイは宰相の屋敷の地下にいた。
拷問のためにあるような、悪趣味な石造りの部屋に。
「よくもおめおめと顔を出せたものじゃ！」
怒りのままに怒鳴りつける宰相の言葉を飲み込むのに時間がかかった。
全身が痛い。
鞭で打たれた皮膚が裂け、服まで破れている。
四肢を投げ出した床は冷たく、傷を労わるどころかじんじんと＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
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