一ノ瀬。です!この話今回最終話です!最後までよろしくお願いします!
<病院>
「「「….」」」
病院に着いてから、僕達は無言だった。医者の人に、君たちも治療をしなきゃと言われたが、それどころではなかった。
ひたすら、司くんが助かることを祈るしかなかった。
途中で寧々が泣き出した。
「グスッ…私が…っ私が撃たれてなかったら……助けれてたかもしれないのに……っ私って司に助けられてばっかじゃん……っ」
「寧々ちゃん…」
「寧々、それはみんな同じさ。だから自分を責めないで。なにより悪いのは僕だ。もっと計画を練ってからいけばよかったね。」
「違うよ類くん…っ…………。
わ、わんだほ~~~い!!」
「…えむ?突然どうしたの。」
「だって、司くん頑張ってたんだよっ!それなのにあたし達が笑顔じゃないと、司くん悲しんじゃうよっ!!ここは司くんを信じて待つしかないんだよっ」
「えむくん……。フフ、そうだね。えむくんの言う通りだ。僕達が笑顔でいなきゃ、司くんも笑顔にできないね」
「……そうかもね…。ふふ、えむありがと。元気出たよ。」
「うんっ…!」
そのとき、手術室のドアが開いた。一瞬で緊迫した空気になる。僕は勢いよく立ち上がった。
「司くん、司くんはっ助かるんですか…!」
寧々とえむくんは無言で医者を見つめている。
沈黙が続いた。
すると、医者はにこりと笑ってこう言った。
「はい、大丈夫ですよ。一命を取り留めました。後遺症も少ないでしょう。これも、彼の力のおかげですね。」
その言葉を聞いた瞬間僕は安心して座り込んだ。えむくんは大声で泣き出した。
「うわぁぁああん司ぐん゛っグスッよかったよぉ……っ」
「ちょっとえむ、ここ病院だからっ…!」
寧々は泣きながら笑ってえむを注意した。そんな僕達に医者は少し苦笑いしながらも、
「3日後からお見舞いに来てもいいですよ」
と言って、ストレッチャーを押しながら去っていった。
しばらく僕達は泣きながらも笑っていた。でもお医者さんに「いい加減治療しないと困るのは自分ですよ?」と言われ、それぞれ治療を受けた。
3日後
ガラガラ
病室のドアを開ける。ドアの先には、少しやせ細ってはいたが、いつもの元気な司くんがみえた。
「司くんっ!!」
「おいえむっここは病院だぞっ…ておい。えむはまだしもなんでお前らも抱きついてくるんだよ…」
そういってやれやれと呆れる司くんだったけど、とても嬉しそうだ。僕も嬉しい。そう、涙が出るほどに…。
「類…?どうした?泣いて。らしくないぞ。あぁ、この天馬司に会えて嬉し泣きをしてしまったのか!ハーッハッハッハ!」
「ばか、絶対そんなんじゃないし………でも。生きててくれて、ありがと…。」
寧々は涙を浮かべながら、でも恥ずかしかったのか、ぷいっとそっぽを向いて言った。
「ね、寧々からそんな言葉が出るとは…明日は嵐が起きr「うるさいっさっきの言葉取り消してあげようか?」…はい、すみませんでした…」
「えへへ〜いつもの寧々ちゃんと司くんだぁっ!」
「いつものとはなんだ、いつものとは。」
「そうよえむ、こいつと一緒にしないで。」
「フフ、でも僕はこの感じが心地いいかな。」
「うんっ!あたしも!」
「というか…オレのお見舞いに来てくれるのは嬉しいんだが……お前らも一応怪我人だからなっ!?特にえむっお前無茶してきたんだから、ちょっとは休んで…「嫌だよっあたし、もう司くんが死んじゃうかと思って怖かったの!だから…今日は一緒に居たい!」」
司くんは目をぱちぱちさせていたが、にこっと微笑んでえむくんと、僕と寧々の頭を順番に撫でていった。
「ありがとな。お前ら。オレはお前たちが生きてくれているだけで嬉しい。」
「……っもう二度とあんな目に遭わないでよね。」
「寧々……」
「フフ、寧々がこんなこというなんて、僕は嬉しいよ。…………でも、本当によかった。よく耐えて戻ってきてくれた、司くん。おかえり。僕らのスター。」
そう言って抱きしめると、司くんは声を殺して泣いた。そんな司くんを僕達は抱きしめたまんま、夕方まで眠っていたのは秘密。
<後日談>
「それにしても、よく僕らの居場所がわかったね。」
「あぁ、実はな、えむが目覚めた数分後にオレの意識が戻ったんだ。それで、起きた瞬間に、KAITOに「無茶をさせるようで悪いけど、今彼らを助けれるのは君たちしかいないんだっ」と言われてな。それでどうしたんだと聞くと、「類くんのスマホのGPSが○○廃工場のところから反応がなくなったんだ。反応がなくなるなんてこと、スマホが壊れるか、わざと切るかしかないんだ。でも類くんは何かあったときのためにONにしていたはず。きっとそこで何かあったはず。お願いだ司くん。類くん達を助けてくれ。」と言われたから、看護師さんに散歩に行きたいといって抜け出して、類達のところへ向かったんだ。」
「なるほど…ならばまた後でKAITOさん達にもお礼を言いにいかないとね。」
「はぁ…それで無茶したから前あんなに看護師さんに怒られてたわけ…」
「うっ…返す言葉もない…」
「それにしても、あのえむくんの行動がなかったら確実に全滅してたねぇ。本当にえむくんには感謝しているよ。」
「えっへへ〜」
「あ、そうだ…!えむっお前なんで気を失ってたはずなのにあんなに動けたんだ?」
「ほぇっ?あたし、あれ演技だよ?」
「なにぃっ!?」
「うーん正直賭けみたいなもんだったんだけどねっ。もうこれはあたし達だけでなんとか出来ないな〜ってなって、着ぐるみさん達を呼ぶために電話をする機会が必要だったの。それで、あたしが気を失って動けないフリをしたら隙が出来るんじゃないかなーと思って、わざと投げ飛ばされて、受け身をとってそして、気を失ったフリをしてたのっ!まさかナイフで刺してこようとするなんて思ってなかったから、あのときは本当に司くんありがとうっ!!」
「お、おぉ…仲間を助けるなんて、当たり前のことだからな!!」
「はぁ…また調子乗った…」
「でも、よかったじゃないか、いつもの日常に戻れて。」
「それはそうだけどー…っ。……思い出したけど、犯人の目的って取り敢えず誰でもいいから目に付いた学生に暴力を振ってストレス発散してたんでしょ。それで反応を楽しんだりして。ほんと最低なヤツらに目をつけられたよね、私達。」
「そんな奴らに日常を奪われたからね、許せないよ。でも、僕達も人気になってきたからね。これからも気をつけていくとしよう。」
「あぁ、座長であるオレが、お前たちを守るから安心しろっ!」
「「出来るわけない(でしょっ)」」
そのとき、ドアがガラガラっと開いた。そして、飛び込んできたのは。
「お兄ちゃ〜〜ん!!もう、お兄ちゃんのばかっばかばかばか〜っ!!」
「司先輩、元気そうでよかったです!」
「はぁ、冬弥に言われて来てみたが…元気そうだな。ていうか、本当に無茶ばっかするな司センパイ…」
「やっほ〜司先輩!きちゃったよ〜♪」
「司さんっ無事でよかった…。」
「咲希ちゃん、飛行機の中にいる間ずっと泣いてたんですよ?」
「まぁ…元気そうでよかった。」
「お、お前たち来てくれたのか!」
「はぁ、司ってばなんでこんなに知り合い多いわけ?」
「まぁ司くんだからねぇ…」
「答えになってない。」
「えへへ〜みんな嬉しそうだね〜」
後輩や友達、家族。たくさんの人で病室が賑わった。まぁ本当なら賑わったらいけないが。
「司先輩に危害与えたやつは俺がやってやりますよ、安心してください。なぁ彰人?」
「おぉ〜!冬弥くんかっこい〜!!」
「もう、逮捕されてるのに……はぁ。まぁ気持ちはわかるけど。」
と不穏な言葉が聞こえてもいたが。
そんな中、離れた場所にある1台のスマホから青い髪の青年が浮かび上がっていた。
「ありがとう、信じてたよ。未来の、いいや、僕達のスター。」
そう一言告げて彼は満足そうに消えていった。
騒がしい病室。そんな病室にはたくさんの笑顔が溢れていた。
END
長文なものになってすみませんm(_ _)mスクロールお疲れ様です。今回のは途中までメモに残してたんで案外すぐ投稿できちゃいました!いいね押してくれた方ありがとうございました!完全に私好みな小説になってしまいましたが楽しんでもらえたら嬉しいです!ではまた〜
コメント
19件
良い話…!
夜中に見て、叫びかけました。(夜通し考えてかんそうこれww)
司が助かってよかったー、、、 ところで最後のツンデレパンケーキさぁ、尊すぎません!?