「髪伸びたんじゃない?」
大「そー?笑」
そう言って嫌いなものを先に食べる癖も変わらないな、と思う。
別れてから1度目の夏にご飯に誘われた。
「最近どうなん?」
聞きたくもないことを聞いた。
大「彼女できたで」
「おめでとう」
その言葉しか出てこなかった。
大吾くんはもう誰かの彼氏で
私に見せてくれた表情も全部その人に見せてるんだよね。
大「結婚も考えとる」
いつかは誰かの旦那さんにもなって愛を育んだりするんよね、私やない誰かと
あの頃私が見てた大吾くんより遥かに今の方がかっこいいよ。
そっか、これが終わりってやつか
その誰かに私がなりたかったな。
一緒に選んだカーテンもソファーも捨ててなくて
そんなこと今の大吾くんに言えるはずもなくて
進むのは
大「この前呑んだんやけどめっちゃ可愛くて」
大「ふわふわ喋る感じがほんまに可愛くて、」
大「ほんま好きやわ、」
よったら本音が出ちゃう感じも変わってない
別れた瞬間何もかも忘れちゃうん?
大「けど、ほんまに好きやったで」
そんなこと今言われても
好きになったこと以外は思い出も未練もないんやね、
大「あんたも幸せになるんやで」
いつかはきっと私も誰かと結ばれて
誰かに好きだと言われて
誰かと幸せになるんかな、
嫌やな、大吾くんがいい、大吾くんやないと…
あっという間に時間が過ぎていって
大「じゃ、またー、では無いか笑」
なんであの時引き止めずに
「ん〜、待ってるわ笑」
なんて言ってしまったんかな、
いつも夏が来ると大吾くんを思い出して
私、あほみたいやな
大吾くんはもう誰かと結ばれてて
いつかは誰かの旦那さんになって
子供が生まれるのかな、私じゃない誰かとの子を
毎年思い出す、私といた時より綺麗だった
横顔を
そうかこれがあれか、終わりってやつだ
あーあ。その誰かになれたらな。
なんて大吾くんの胸に抱かれて
儚い夢を見た。
ラストシーン/PLUE
end…
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