テラーノベル
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カーテンの隙間から差し込む陽光で目を覚ました直後、案の定、私は昨夜の行いを猛烈に後悔していた。
何で恋人役を頼んでこうなる⋯…! と両手で顔を覆い、呻き声を上げる。
ひとまず散らばった衣服をかき集め、急いで身に纏った。
目覚めた瞬間、私達があられもない姿であったことは言うまでもない。
隣では、雅が規則正しい寝息を立てて安らかに眠っている。あろうことか私を大事そうに腕の中に閉じ込め、腕枕までして。
起きてすぐ至近距離に顔のいい男がいる状況に、目がチカチカするけれど、現実に起きたのはとんでもない過ちだった。
この男とはこれから先も長い付き合いになるはずだったのに、その矢先にワンナイトなんて、私は一体何を考えているのか。
衣服を整えてから改めて雅を見やるが、まだ起きる気配はない。
お酒が抜け、睡眠もとれてすっきりした頭で周囲を見渡すと、避妊の痕跡だけがしっかりと、しかも、三つも残されていた。その事実を突きつけられ、再び背筋が凍る。
酒に酔って正常な判断ができなかったとはいえ、三回も!?
自分でも呆れて物も言えない。思わず額を抑えて、溜息を吐く。
何より、油断して雅を家に入れてしまった自業自得な自分に、激しい頭痛を覚えた。
必死で今後の言い訳を考えていた、その時だった。
ぐいっと、不意に体が雅の方へと引き寄せられる。
触れるだけの軽い音を立てて唇を離すと、目の前には朝から呆れるほど整った顔が、穏やかに微笑んでいた。
「おはよ、よく眠れた?」
よく眠れすぎて自分が怖い。そのおかげで頭は嫌になるほど冴えわたり、昨夜の一連の出来事が鮮明にフラッシュバックしていた。
昨日、奴は車を駐車場に停め、荷物は車に置いておけばよかったはずなのに、わざわざ私の部屋まで持ち込んで置いていった。仕事に行くのに私の家の方がバーに近いとか、それらしい言い訳を並べて。
今思えば、その瞬間からすべてが計画的な犯行だった。その事実に気付いた私は雅を、これ以上ないほど冷ややかな目で見据えた。
「⋯…あんた、昨日わざと?」
「当たり前じゃん、いつ手出そうかずっと考えてた。無防備だね、本当」
やれやれとでも言いたげな、呆れたような態度。
さっきまで自分が悪いと猛省していたけれど、こうも堂々と煽られ、計画的だったと告げられれば、一気に怒りが沸点に達する。
「今日休みでしょ、もう一回シよ」
平然とそんなことを宣いながら、髪や首筋に唇を落としてくるこいつを、私は渾身の力で突き飛ばした。
「ほんっとうに、最悪! 」
私の怒鳴り声が、朝の静かな部屋に響き渡る。雅は不意を突かれたように少し驚いた表情を見せたが、すぐにいつもの、感情の読めない真顔に戻った。
私だって、当然悪い。友達でいられるなんて思い込み、雅にその気はないと油断して家に上げたのだから。
だけど、計画的だったとなれば話は別だ。私の歩み寄りを踏みにじり、自分の性欲を優先させたこの男に激しい怒りがこみ上げた。
怒りで震える私を前にしても、こいつはまだ楽しそうに口角を上げている。
「そんな怒んなよ、良さそうに喘いでたじゃん」
「怒るな? 良さそうに喘いでた? 本当に今言うべき言葉なの?最低」
「男女で何も無いって本気で思ってたわけ? 多分昨日の状況だったら玲にすら食われてるよ」
「玲くんを持ち出してこないで。そもそもあんたと玲くんじゃ訳が違うから」
乱雑にベッド脇に落ちていた雅の服を拾い集め、思い切り本人に投げつける。
今は一秒でも早くこの場から消えてほしい。
「早く荷物持って帰って」
「律儀に物はくれんだ?」
「いらないからよ、そんでそのまま二度と顔見せないで」
こんな男に一瞬でも気を許した自分の馬鹿さ加減に、反吐が出る。
二度と、こんな最低で最悪な男を相手に、惨めな思いなんてしたくない。
まなこ〜友
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#ますしき
T
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コメント
1件
朝から心臓に悪い回でした…! 計画的でしたって平然と言い放つ雅、クズなのにずるいくらい色気があって悔しい。主人公の怒りにも全力で共感できるし、「良さそうに♡♡♡た」発言は本当に最低ですね。でも憎みきれない感じがすごくいい…続きが気になりすぎます。