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福乱
瞼が今にも落ちそうな貴方を見詰める。
顔もいつもに比べて血色がいい。
綺麗な宴会場まで借りちゃって。ずっと遠くの夜空を眺めているようだ。
そんな貴方が気になった。
「福沢さん、お酒呑みすぎじゃなーい?」
「…ん…別にあと一本あるでは無いか」
「…もしかして社長全部呑む気?」
「その為に買ってきたものだからな。こんな機会中々無いだろう。」
そう言って、表情を緩めた。
「見てみなよ〜全員寝てるって…お酒飲めない子は帰ったし…そろそろ一時を回りそうだよ」
「…乱歩は帰らなくて良いのか?」
「僕は___社長の付き添い」
「では…」
そう言って、御猪口にお酒を注ごうとする貴方を、急いで止める。
「嫌だよ〜僕はお酒弱いの!!呑むとしても甘いお酒だね。」
「…そうか…少し体が熱ってきた。」
少し着物を緩める貴方を間近で見ると胸が高鳴って仕方ない。相変わらず、筋の通った首は綺麗だ。
「嗚呼、少し眠いな…」
「座布団でもいいから寝れば?」
「…否、皆の邪魔になるだろう」
僕の方に体を傾ける。もたれ掛かるように、僕の肩に手を乗せる。
「…ッ!?」
驚いた僕の体が跳ねる。僕の肩を大きな社長の手が包み込んでいる。
「…乱歩、すまない…少し借りる…」
そう言ってぐいっと肩に力を感じた。気づけば僕は社長に押し倒されていた。
「……ふく…ざわさん…?」
髪で隠れて表情が分からない。けれど、呼吸が荒いのは分かった。
大きな体で天井すら見えない。でも、不思議と圧は感じない。むしろ此の儘しばらく_______なんて考える程。
「乱歩…」
囁く様に呟いた。大きな手で頭をぐしゃっと雑に覆う。
「ん…ッ」
「…近くで顔を見たい…」
少し我儘な貴方の要望。される前がままに。
髪の毛を上に上げられると、貴方との距離に驚く。
「…耳が赤い……」
指を通すように髪を耳に掛けられた。
「…福沢さんの…せいでしょ」
なりふり構わず、押し倒してくる貴方に体が熱った。
顔を近づけられたものだから目を力強く閉じると唇に柔らかい感覚とお酒の強い味を感じた。
「ん…ッは…んんぅ…」
お酒は好きじゃ無いのに。気持ち良くて頭が空っぽになった。
言葉で言い表せない快感があった。
「…顔が赤い。ネクタイは苦しく無いのか…?」
僕は問いに答えずに、ネクタイを解いた。
「…自由にして」
何も言わずに貴方は僕を抱きしめた。
何度も首筋を噛まれた。跡がつきそうな程接吻をされた。
気持ち良さに浸っていた頃。貴方が着物の帯を丁寧にとった。
「…今?」
「帰ってからじゃだ…」
全てを言い切る間もなく、貴方にまた口を塞がれた。
「あ…んッ…ちょっ…と皆んな起きちゃうよ」
僕の声が聞こえてないみたいに、僕の手を優しく握った。
「…仕方ないなぁ…今日だけだよ」
_________
朝。
「ええっと、朝ですよ!!!昨晩何があったのか知りませんが……起きてください!!」
僕と社長が抱き合って寝ているのを、朝1番早く起きた国木田目撃し、顔を真っ赤にしながら起こしてきた。
「んぅ…なんだい国木田君朝から元気だねぇ」
太宰も釣られて起きたようだが、ほやんと体を起こした僕を和かな目で見ていた。
「んふふ、そういうことか…乱歩さん。お体お大事にしてきださいね〜」
「あ”ぁー…これは社長が酔った勢いでやったみたいだねェ…」
気づけば与謝野さんも隣から顔を出していた。
やっと起き上がった貴方は記憶があまり無いようで。
「…なぜ皆此方を見ているんだ…?」
「…え、社長夜のこと覚えてないの…?」
「…?」
社長の耳にそっと口を近づけて昨日の夜のことを話してあげた。
「……乱歩…その、体は…大丈夫か」
やってしまった。という顔で頭を抱える貴方が少し愛おしい。
「…社長ちゃんと責任取って介抱してよ」
帰りはちゃんとタクシーで送り届けてもらった。
ねこ
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コメント
1件
うわあ、お酒の勢いって怖いですね……でもすごくドキドキしました。福沢さんの酔ったときの素直さと、乱歩さんの「今日だけだよ」って甘やかす感じのバランスが絶妙で。朝になって福沢さんが覚えてなくて、乱歩さんが耳元で教えるシーン、めちゃくちゃ好きです。「責任取って介抱してよ」って言える関係性、尊い……!続き、気になりますね。