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#感動
こはる
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#死に戻り
こはる
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こはる
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第6話
ラルフの散歩コースに向かうといつも通り、ラルフがジョギングをしていた。
俺の事を一目見ると、ラルフは足を止めて目をパチクリさせていた。
……こんな夜型の奴が、朝っぱらからジョギングする自分の所に来たらそりゃそうなるよな。
「ニルス? こんな朝早くからどうしたんだ?」
「少し、見てほしい子がいる。俺だけじゃ、どうにもできない」
「あ、いいけど……お前ってそんなお節介人種だったっけ?」
お節介人種では無い!
聞いた瞬間にそう心の中で全否定した。
「違う。とりあえず来てくれ。訳アリだ」
「訳アリね……分かった」
そう言って、反対方向にラルフは走って行った。
「おい! こっちだ」
「あ、すまん」
あいつの昔からの方向音痴はどうしたらいいのだろうか……
ま、俺も昔からこいつ以外とは口を聞かなかったしな。お互い変わんねぇな。
俺は深くため息を吐きながらラルフを家に案内した。
家に着くと、悪感が走った。
というか、リナの魔力が苦しそうにうねっていた。横を見るとそれを見たラルフも顔色を悪くしている。
「ヤバいんじゃないか?」
「急ぎだ。早く上がって」
「分かってる」
急いで二階へ上がると俺の解熱魔法が切れたリナが苦しそうにしていた。
「ラルフくん。いらっしゃい。話は聞いてる?」
「少し聞きました。失礼しますね」
すかさずラルフがリナの診察を始めた。
歯ぎしりをしていて、意識も無い。黒髪からは、汗が垂れていて、呼吸も乱れている。
……心配だ。
それ以外出てこなかった。
何かしてやりたいとも思ったけど、何もできる事が見つからなかった。とっても悔しい。
「……見た所、魔力は大丈夫。でも、結構な高熱だ。何歳?」
「四歳よ。ニルスの婚約者の妹なの」
「ほう……それで、訳アリか」
ラルフは頷いているけど、めっちゃ勘違い。
確かに、そこも訳アリだけど……
「そこじゃない。誰かに狙われた犯行って事」
俺がそう言うと三人が同時に俺の事を見た。
「あ、言ってなかったか……相手は、姿変えの魔法を使ってて詳しくは分からないけど、二十歳くらいの女性。魔力が網状に流れている」
「何かの間違いじゃないのか?」
そう言って父さんが青ざめた顔で俺の事を見つめた。
「その可能性は高い。ケスラー家の長女と間違われたのかもと……」
「レスラー家って、あの?」
母さんが首を傾げていた。確かに、あの時接客したのは父さんだったし、母さんが知ってるのは話だけか。
俺も、手伝いで掃除をしてたんだっけな。
「そう。話は戻すけど、俺に気付いたアイツは、リナを川に投げ入れた。その時に、腕を切ったみたいだけど、あまり深くなくて冷たかったから、出血は少なかった。直ぐに治したからあまり気にしなかったんだ」
「ニルスは、そっちだもんな……少し、解熱剤を飲ませた方がいいかもしれない。水分も取らせないといけないし」
「分かった。でも、魔力は傷つかない?」
「弱いやつを持ってきて。薄くするから」
弱いやつって……まぁ、無いことは無いんだけどな……
効果が弱い薬草を持って来た。ラルフも頷いて器用に風魔法で刻んでから、水で飲ませていた。
調合はとても苦手。分かるけど、あまり得意とは言えない。傷を治すのが専門。
それと、看病も判断が苦手。
苦手だからって逃げてる訳では無いけど、リナは重症だと思う。
ちょっとくらい力を借りないと、俺も無理だ。かなり、痛みつけられただろうから。
「……ニルス。痙攣するかも知れないが、その時は、今みたいに、薬を飲ませろ。落ち着くはずだ」
「あぁ。分かった」
……ん? 痙攣って……
「万が一だぞ。深く考えるな。俺はもうそろそろ失礼する」
「あ、あぁ。分かった。また後で」
俺は、ラルフの背中を見送りながらリナの頭を撫でた。
学校では、半分寝ながら授業を受けて、ラルフともいつも通りの会話をした。
……あのド不器用のラルフでも、気は使えたらしい。
いや、この事を話そうとあいつが口を開くから、俺も変な魔力を放ったよな……やっぱり、ラルフの不器用は昔から一つも変わらない。
ラルフ以外と口を聞かない俺があんな魔力を放つなんてな……自分でも、ため息吐きたくなるな……
帰り際、裏道を歩いていると陶器が割れた破片と土が散らかっていた。
いや、ここが近道なんだけど、殆ど使う奴もいないし、通ったのは昨日の朝……
ここで、襲われた可能性が高いか……
そう考えると胸の奥がギュッと締め付けられたように苦しくなった。
四歳だっけ……父さんか母さんが教えたんだろうな。なのに、一人で……
俺は、道に散らばった破片や土を綺麗に避けて家に帰った。
コメント
1件
こはるさん、第7話読みました🌙 ニルスが一人で抱え込まずにラルフを頼ったのが良かったです。ラルフの方向音痴、相変わらずでちょっと笑っちゃいました。でもリナの診察シーンは本当にひやりとした…。まだ幼い子が狙われて、しかも「間違えられたかも」って真相が重いですね。帰り道の破片の描写で、ニルスの胸の内がじんわり伝わってきて切なかったです。続きが気になります。