嬉しそうに指輪を見る涼架に、俺も嬉しくなる。
「今度も裏にメッセージを入れました。」
「え?」
涼架は指輪を外し、裏を見る。
【”Your Smile is My Happiness”】
「”君の笑顔は僕の幸せ”ってことなんだけど、だからって無理して笑わなくていいからね。」
結構前から準備してたからこの文言にしてしまった。ベタな”Eternal Love(永遠の愛)”とか”Only Love(ただ一つの愛)”なども候補としてはあったのだが、やっぱりちょっと照れ臭くてやめた。今思うとベタな方にしておけばよかったと後悔している。
「嬉しいよ!滉斗が僕のこと考えて買ってくれたんだから。」
「笑顔とか関係なく、涼架の幸せが俺の幸せだから。」
「ふふふ、ありがとう。でも僕の誕生日に渡す予定だったんでしょ?なんで前倒しになったの?」
「言ったでしょ。涼架を不安にさせたままじゃ俺が嫌だから。」
「もしかしてビデオ通話で僕が無理してるのバレてた?」
「いや、元貴に言われるまで気づかなかった。」
「え?元貴と会ったの?」
「昨日いつものように涼架に電話したら元貴が出てさ。」
「え?!」
「しかも涼架は隣で寝てるって言うし。」
「昨日元貴の家に泊まっただけだよ!寝てるってソファーにだし、何も変なことはないからね!」
「分かってる。元貴も、俺のケツ叩きたかったんだろうなって。」
「ケツを叩く?」
「涼架。例の件扱ったワイドショー見て「お似合い」って言ったんだって?」
「あぁ・・・それは、まぁ・・・。」
「俺が好きなのは涼架だよ。」
真っすぐ見つめて言うと、涼架ははにかみ
「うん。僕も滉斗が好き。でも実際お似合いだったし・・・。」
「涼架。」
「分かってる。頭では分かってるんだけど、滉斗カッコいいし、どんどんカッコよくなるし、不安になるのはしょうがないじゃん・・・。」
「・・・そんな可愛い事言われたら怒れない・・・。」
「怒ってるの・・・?」
「怒ってないよ。でもね。」
涼架の左手を手に取って、その掌にキスを落とす。
「一人で抱え込まないで。何かあったら話し合って乗り越えようって二人で決めたじゃん。元貴から涼架が寝れてないって聞いた時、”俺信用されてないのかな”って悲しかった・・・。」
「滉斗の仕事の邪魔したくなかったから、帰って来てから言おうと思ってたの・・・。ごめんなさい・・・。」
「次からはちゃんとすぐに話してくれる?」
「うん。」
「俺も何かあったら涼架に話すから。」
「うん。ありがと、滉斗。」
「じゃぁちゅーして。」
「え?」
「涼架からキスしてほしいなー。」
「え、僕か、ら?」
急に眼が泳ぐ涼架。
「してくれないの?そっか・・・。」
あからさまにしょぼんとして見せれば、涼架は慌てて
「わかった!するから!目、閉じてっ。」
「はーい。」
目を閉じで待っていると、唇に温かいものがそっと触れた。しかし、すぐに離れて行こうとしたので目を開くと、視界一杯に涼架の真っ赤な顔が。
「目まだ開けないで!」
「無理。」
「え?っ、んぅ・・・ッ!」
涼架の後頭部を右手で抑え、そのまま今度は深く口づける。薄く開いた間から舌を差し入れ、口腔で逃げる舌を追いかけて絡め合わせた。
「んん・・・っ、はぁ・・・。」
最初こそ戸惑っていたものの、一生懸命応えようとしてくれる涼架。十分堪能した後に唇を離すと、潤んだ瞳と濡れた唇がとても艶めかしくて、ちょっと我慢の限界かもしれない。
「あ、あのね、滉斗・・・。」
「ん?」
「その・・・。引かないでほしいんだけど・・・。」
「どうしたの?」
「家でね、準備してきたの・・・。」
準備って・・・つまりこういうことを期待していたってことだよね?いや、一週間ぶりなんだからそうなるだろうなって予想はつくだろうけど・・・。
「それでね、滉斗・・・。」
涼架はそっと俺のモノをズボンの上からさすった。
「・・・しよ?」
恥ずかしそうに微笑む涼架。
そこで、”プツン”と俺の限界の糸が切れた音がした。
コメント
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プツンときれちゃったねぇー 涼ちゃんがんば!
朝からしあわせでした……🫠 しよ、は破壊力がありすぎる🤯