テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
明博くんと私は時折面談をする。一対一になって、最近の心情を聞いたりするカウンセリングの様な物だ。
彼は複数の精神疾患を持っている様でその中には今だに把握し切れていないものもある。だからこそ、私とは違う世界が彼には見えてしまうらしい。
それが見えて良いものなのか、いけないものなのか。その真相は彼にしかわからない
いつもの様に私が彼を呼び止めて、二つの椅子がある小部屋に連れ込んだ。小さく頷いた彼は無言で椅子に腰掛けた
「明博くん、今日の調子は?」
「大丈夫、ねぇ。ドク」
「はい?」
すると、彼は私の背後、いいや…もっと奥を指差した。だがしかし、そこには何もなかった、
意図が分からず困惑していると彼は不思議そうな顔で言った
「ねぇ、ドク。そんな扱いしちゃダメなんだよ。可哀想でしょ」
「……?」
本当になんのことだかさっぱりわからなかった。だってそこには何も居ない、しかし彼には見えている
だが、私には見えない
そんなナニカ。
「泣いて、泣き叫んで可哀想に。ほらドク、抱っこしてあげてよ。」
「抱っこ…?もしかして、、子供ですか?」
「ん、⬛︎▫︎だよ。よしよし」
何もない地面からそれを掬い取った彼は控えめに笑った。
「鋏、出しっぱなしにしたらダメだよ。この子が怪我しちゃう」
彼にしか見えぬ化け物、それらは時に真相を指し示すらしい。
それを幻覚のせいにする為に、私は彼の病名を必死に探している