『悪魔執事はヴァンパイア』〜私の血は彼らを惑わす sweet BLOOD〜
SECOND BLOOD 抑えられないです、主様。
月明かりが照らす夜――
カプ…ッ。
『ぁ……っ。アモン、もう…これ以上は…っ。』
『すみませんっす…もう少しだけ…っ。』
首元に再び牙を立てられる。
『ァ、ダメ…っ。』
『抑えられないっす…主様…っ。』
ベットに寝かせられ、上からアモンが覆い被さる。
ペロッ…。
『主様の血…甘くて…濃くて美味しいっす…。知ってるっすか?SWEET BLOODの名前の由来。』
『え…?』
『その血を持った者が…本気で誰かに恋をした時…とびきり美味しくなるんすよ♪だからSWEET BLOODなんす。』
アモンは私のスカートをたくし上げ、太ももに舌を這わせる。
『ん…ぅ。』
『全部味わわせて貰うっすよ。』
『っ……。』
(もう、これ以上はダメなのに…拒めない…。)
私はされるがまま、目を閉じる――。
翌朝――。
『ん…。あれ、昨日私…。』
『おはようございますっす。主様。』
『アモン…?どうして私の部屋に…?』
『昨日のこと忘れちゃったんっすか?』
『昨日…?』
ハラ…っ。
『っ!!』
下を見ると私は下着姿だった。
『なっ!!!なんで、私…っ。』
『安心してくださいっす。主様の純潔は奪ってないっすから。』
『っ〜!?バカっ!!』
バシンっ!
私はアモンの頬を叩き、部屋から追い出す。
『……。』
『お前何したんだよ…。』
『いやぁ、ちょっとからかっただけなんすけど…。』
『全く…。アモン、後でまた謝りに行けよ。』
『まぁまぁハウレス。主様も頭ごなしに叱る人じゃないから謝れば許してくれると思うよ。』
『はいっす…。』
食堂――
『もぅ、アモンのバカ…っ。』
私は朝食を口に運ぶ。
(私が本気で誰かを好きになった時…その血は甘くなる…。)
『別に私はみんなのことなんて…っ。』
私はキッチンにいるロノとバスティンを見つめる。
『おいバスティン!そのトマトは食うなって言っただろ!』
『す、すまない。腹が減って…。』
『これでも食っとけ!』
『もがっ!』
『ふふ、仲良しだなぁ…。』
(私が誰かに恋したりするのはまだ早いって言うか…。そもそもわかんないし…。)
『ご馳走様でした。』
私は部屋に戻る。
一方その頃、ベリアンの部屋――。
『え…?主様の血が狙われてる…?』
『あぁ。貴族の闇オークションで主様と同じ血を持つSWEET BLOODの人間のね。グロバナー家で話していたんだ。グロバナー家に属する貴族が闇オークションをし、高値でそれを売りさばいてる。と。』
『人身売買…!』
『あぁ。何処から情報が漏れたかは分からないけれど…貴族の目的がSWEET BLOODなら…。その中でも濃厚な主様の血を求めるはずだ。』
『っ…。それで、その闇オークションはいつやるのですか?』
『次の闇オークションは明日の日没前…。』
『ちょうど夜に差しかかる時ですか…。』
『あぁ。乗り込むならそこしかない。フィンレイ様から了承も得ている。』
『分かりました。主様に早速話しましょう。』
コンコンっ。
『はい。』
『お休みのところ申し訳ございません。ベリアンです。』
『ベリアン?どうしたの?開いてるよ。』
ガチャッ
『主様。至急伝えたいことがあります。』
『…?』
ベリアンは切羽詰まった様子で話し始める。
『私と同じ血を持つ人が闇オークションで人身売買されてるの…!?』
『はい。グロバナー家貴族が内密で行っていると…。そのSWEET BLOODの血を持った人間を奴隷として買い…。我々と同じヴァンパイアに売り捌いてるそうなのです。』
『…っ。』
(許せない…。人身売買をして、何の罪も無い人をそんな風に…っ。)
『主様、我々はそのオークションに参加し、主催者を叩かねばなりません。その為には――っ。』
ベリアンはその後の言葉を渋る。
きっとベリアンは私を参加させるのを渋ってるんだ。本当にどこまでも優しいんだから…っ。
『ベリアン。大丈夫。私その闇オークションに参加するよ。他の人を救う為に私が必要でしょ?』
『主様…っ。ですが…。』
『大丈夫。みんなが必ず助けてくれるって信じてるから。』
『主様…。はい。かしこまりました。必ず守ります。』
『うんっ。』
翌日――。
私は街で1人で歩いていた。
『……。』
(ルカスの作戦では…。私をみんなが落札させた時にフードを被って身を潜めていたみんなが一斉に飛びかかり、主催者を探すっていう作戦。少し怖いけど…ベリアンが必ず助けるって言ってくれた。)
『なぁ。あれ…。』
『あぁ。悪魔執事の主だな。』
『SWEET BLOODの持ち主だ。』
『っ…。』
『おい。』
『!!は、はい…。』
『お前、悪魔執事の主だな?』
『…そうですけど、私になにか…?』
『おい。』
『あぁ。』
『っ!』
貴族のひとりが私に布袋を頭から被せる。
『っ、やめ…!』
『大人しくしろ。』
『く…っ。』
(息が…出来ない…。)
私は気を失ってしまう。
『ん…。』
『紳士淑女の皆様。今宵はこの闇オークションのご参加ありがとうございます。今宵も様々な高値のものをご用意しております!』
『ここが、闇オークション…!?』
私は目を覚ますと、白いドレスを着せられ、胸元には番号の書かれたバッチが付けられている。
ジャラッ
(手枷に、足枷…。当たり前か…。)
『今宵の目玉商品はこちらですっ!!』
カーテンが開かれ、眩しい光が当たる。
『雪のように白い肌…。若々しい肉体。そして、SWEET BLOODの持ち主です!純潔もまだの乙女でございます。愛玩用にするもよし、奴隷として飼い慣らすもよしでございます!さぁ、皆様こちらの目玉商品は10万ゼニーからでございます!さてさて、まずは1番!10万ゼニーから!』
(胸糞悪い…っ。こんなことを貴族は繰り返して…っ。)
『あの10番は10万ゼニーか…今日はそんな手持ちねぇな。』
『何番にしようかしら…あの4番綺麗な顔してるわ…愛玩用にしようかしら。』
『1番!5000ゼニー!』
『5000ゼニー頂きました!他にはいらっしゃいませんか!』
『7000ゼニー!』
『10000ゼニー!!』
『10000ゼニー頂きました!他にはいらっしゃいませんか!では、10000ゼニーで落札です!』
ドンッ!
『っ……。』
そして、次々と落札され…私の番が来た。
『さて、今回の目玉商品です。どなたかいらっしゃいませんか!』
『10番!15万ゼニー!!』
『20万ゼニー!!』
『20万頂きました!他にはいらっしゃいませんか!』
(大丈夫…作戦では私のことは30万ゼニーでみんなが落札をしてくれる。)
『30万ゼニー!!』
『みんな…。え……?』
声を上げたのは黒いフードを被ったみんなではなかった。
『な、なんで…?』
『30万ゼニー頂きました!他にはいらっしゃいませんか!?』
(そんな、なんで…?)
『では、30万で落札を――。』
ドンッ…と、その時――。
『100億ゼニー!!』
『な…っ!?』
ザワっ…。
『ひゃ、100億!?そんな大金一体誰なの……!?』
『…残念だ。グロバナー家に属する貴族とあろうものが…。』
(この声は…。)
『悪魔執事の主。もう心配はない。』
フィンレイ様がフードを脱ぎ、私を見つめる。
『フィンレイ、様…!?』
次回
THIRD BLOOD 我慢できません、主様。
コメント
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そこまで言っていただけて嬉しいですっ!!明日も頑張ってください!!
学校から帰ってきて勉強したあとのぷちさんの作品見ると 疲れが吹っ飛びます‼️ 明日も学校頑張ります!!!! いつも 最高な作品ありがとうございます🥹💓