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「第二の能力を使用します。”hamlet”」


tearは右手を上げ、手を開く。

その手には何かエフェクトっぽいのが集まってきている。

ゲームで出てくるため攻撃、みたいな感じで、必殺技チックな攻撃が来るらしい。


「第二の能力ってそんな大事なもんなのか?なんか強そうだけど」

「ネームドは第二の能力を使ったときのみ代償が発動するからな。普通は第一の能力を使いまくってゴリ押すんだけど、無理そうな時だけ使う。大体勝てるんだよ二つ目の能力使えば。その代わり代償がバカでかいからよっぽどじゃなきゃな」

「お前はまだ使ってないのか?死にかけてたけど」

「さあ?まー私は最強だし使わなくても余裕だけどー?」

「気になるな、いつか見せてほしい」

「見せる様な状況になっては欲しくないけどなー…」



「指揮、まだ溜まってない?」

「後2分ほど…。おそらくはあの攻撃、一度は受けていただかないといけなくなります」

「あれ明らかにヤバいじゃん…」

「みんな避けれそう?」

「いや、無理だろ…それにあれ確定で当たる系だったらどうすんだ」

「ガードの方が望み薄いでしょ」

「それはそうだけどさ…」


「充填完了…発射まで残り45…」


この時間を使ってtearを殴りに行けば?と思うかもしれないが、実はこの間もtearはナイフを体の周囲に巡らせ、

俺達を近寄らせまいとしている。


「あのナイフなんとかできないかな」

「俺がぶっ飛ばすか…?炎魔法ならぎりいける気がするんだけど」

「ぶっ飛ばす目的なら君より木更津でしょ。その木更津が攻撃したらヤバそうって話だからさ」

「…でも攻撃できる時間にした方が」

「できる時間かな、今。どちらかといえば技打ってきた後でしょ」

「代償で動けなくなるとかありそうっすもんね」


俺達がtearに釘付けになっている時、俺にはとある声が聞こえた。


「あ、あの」


その声は、どこかで聞いたことがあるようで、どこか優しく、どこか強く、どこか弱弱しい。


思えば、俺とこの人の間には「振り向く」という動作が染みついていた。


振り向けばこの人がいる。最初は笑っていた。

そこから段々と、普通生きててありえないような表情を知っていった。

人生で一度しかできない体験もさせてもらえた。

そういう意味では素晴らしい人だった。


俺はこの人を迎えることにした。正々堂々と、正攻法で。

振り向くという発動条件で。



「花芽」


振り向くと、一瞬だけ花芽の姿が見えた。

笑顔で手を振っている花芽が。

いや、一瞬じゃない。


俺が「振り向く」という動作をしたことに原因がある。

つまり何かコツがありそうな気がする。


自分でも何が起こってるのか分からないが、直感で、花芽に会えたと思った。


「messiah、花芽見えた?」

「見え…たな。絶対この最強の私がぶっ潰したはずなのに…」


どうやらmessiahも見えているらしい。

多分視界でも共有してるのか?


「え、急にどうしたお前」

「みんなには見えないのか?」

「ついに幻覚かー」

「いや、絶対いた。確信がある」

「疲れてるんすよきっと」

「やっぱ見えないのか。いるはずなんだけど」

「まあ私は最強だから全然見えるけどな!格が違うんだよビギナーとはな!!」



他の人には見えてないみたいだ。漫画とかだとよくあるやつ状態。



「発射まで3、」


「まずい、来るぞ」

「どっか逃げよう」

「どこがある…?」


「2,」


「…あ、図書館とか」

「そうじゃん、急ご」

「待て、俺が風魔法で飛ばす。”wind”!!」


衣川の風魔法で体が図書館の方向に飛ぶ。

内部に入れたわけではないが、かなり時短になった。

後は走るのみ。


「1、」


「走れお前ら!!」

「木更津頼んだぞマジで!!お前には二つ命乗っかってんだからな!」

「最善は尽くすけど…!!」


なんとか気合で図書館の扉にしがみつく。

他の奴は…なんて思っていたが、ここで気づいたことがある。


何故か俺の体の操作が効かない。

俺は、いとも容易く図書館から引きはがされ、そしてtearの目の前に来た。


「貴方だけは必ず殺害させていただきます。発射」


花芽は指先を俺の方に向け、エフェクトを解放した。


「逃げれない?」「おい逃げろ!!」

「こっちに来てくれたらなんとか出来るっすけど…!近寄れそうにもないのが…!」


「逃げようとしても体が動かないんだよ!!前もこれで…」

「おい木更津!もう一回生き返れるなんてことないからな!!絶対なんとかしろよこれ!!」

「そうなんだけどさ…!!、あっ」



すると、そのエフェクトたちは一斉に地面につき、だんだんと揺らめき動いている。

何かの形を作っているようだ。


「このエフェクトが殴ってくる感じだよな」

「追尾してくる感じなら盾構えるか専用装備で…それか防御コマンドを選択するか広告見てコンティニュー…」

「結局?」

「今のままじゃもっかいゲームオーバーだ、お前がビギナーな限りは」


エフェクトはやがて人型となる。

軽く数えてみると3人くらいだ。


「”hamlet”は意志を持って戦う人形を生み出し操る能力です。彼らは私の指示を基に攻撃パターンを生成し、対象となった貴方一人を攻撃し続けます。」

「あなた方に勝ち目はありません。元から死ぬ予定だったあなた方が生き残れるわけがありません。…時短しませんか?」

「実際勝てなさそうなんだよな…もっかい死ぬ…かも」

「…いけるだろ。この最強プレイヤーに任せろ」

「え、でも今代われないじゃん」

「協力プレイだよ協力プレイ!!めっちゃムカつくけど!!」

「つってもどうすんだよ」

「とりあえずあの人形を1体でも壊せ、残りは私が叩く」

「こえー…」


俺はもう一度人形たちの方を見た。

全員当然ではあるが、表情が全くなく、ホラー映画みたいになっている。

俺は右手をかざす。

今の戦況は4対1。ひっくりかえせるとは到底思えない。

しかし、ネームドの実力に駆けてみるしかないのだ。

今の所俺は何も活躍できてないし。


「今、撃て」


messiahに言われ、俺は能力を溜め始める。

体感あと10秒くらいで撃てそうだ。

段々とエネルギーが集う。

不思議と奴らは追ってこない。

おそらく様子見している。まあこの一撃で4人全員死ぬことはないだろうし。


もうほぼエネルギーが溜まっている。


「撃て!!」


俺は言われた瞬間、tear達四人に向けて重い一撃を放った。

はずだった。

いや、本当に撃てていたはずなのだが、ほんの一瞬、ほんの一瞬だけ、


脳裏に花芽が浮かんでしまった。


tearの姿が花芽に重なってしまった。


俺の一撃は誰もいない空間へと向かい、ただの空砲と化す。

その代わり、tearがコンマ一秒ほどの速度で俺を襲ってきた。

俺の体は宙に浮く。

なんかこの流れ見た事あるな。

俺そしたらこの後死んだんだよな確か。

嫌な予感がする。


バーーンっというどっかで聞いたことあるような音を聞き、再放送で俺が花芽のときみたいに後方に吹っ飛ばされる。

というかそこまで覚えている。

そう、今俺は意識が消えていっている。


「フレーム単位かよクソゲーが…!楽しくなってきたな…w」

「おい木更津!今入れ替わる、って意識無い感じか…。もしかして今なら乗っ取れる…?」


あの入れ替わりだ。

今度は俺の体が上に行き、messiahの体が下に向かう。

つまり、今の体の主導権はmessiahにある。


「っしゃーーーー!!ついに最強が乗っ取ってやったわーーーー!!こんな雑魚が群れたとて!!経験値にしかならないんだよ!!まあちょっと厳しいけど…」

「その言葉、しっかりお返しいたします。雑魚が群れたとて雑魚ですよね」

「…前は優しかっただろ。どうしたんだよ」

「別に。そもそも戦闘に恋愛と趣味を持ち込むなんて間違っておりますゆえ」

「あー…。そっか。いやそりゃそうだよな、私を本気で殺しに来るならーー」


そう言ってmessiahは上を向く。

彼の真上には、blossomと名乗っていた女がいる。


「お前がかかってくるよな、blossom!!」

「うっす。一緒にゲームしてくれたのは嬉しかったけど、俺の嫁…じゃなくて婿はhappy様なので。抗えない抗えない」

「はー…こりゃ一つ目だけじゃ…」

「(二つ目の能力が割れるだけでもデカいけど…happy様にもっとお近づきになるには攻略法まで見出すか殺すかしなきゃ…でも二つ目ってどんな感じなんだろ…happy様と同じくらいの強さだし、大分強いんだろうけど)」

「二つ目使っちゃうんですかぁ?代償ヤバいでしょ」

「私は最強なんだから余裕だわ代償なんて」

「さっさと使って下さると有難いのですが」

「言ったな?言ったな?まあまだ使わないけど、頃合いを見て」





「扉締まってるっすね…」

「これじゃああいつがどうなってるかわかんないな」

「暇だし猫手探そうよ」

「”暇だし”で人命救助かよ…」


しばらくした後、天神が俺の方に走ってきた。


「見つけた」

「早いな、平気そうだったか?」

「血管は動いてたから生きてる」

「血管”は”…少なくとも意識はないんすね」

「ギリギリ生きてる感は凄い」

「うーん…とりあえず出血止めるところからっすかね」

「私が多少はできますゆえ、案内していただいても?」

「ん、ついてきて」

デス・ファイア・ゲーム~混沌の世界へ~

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