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迅さんと遊真
玉狛のキッチンはいつも整えられている。だから、深夜に飲み物を飲む時だっておれのコップは定位置にあって、カチャカチャと音をたててみんなを起こさずにすむ。
ある日の夜。いつもの様に、飲み物を持って屋上へ行こうかと忍び足でキッチンへ向かいマグカップを出した。
時刻はわからないが、みんな寝てるからともかく深夜ってやつだ。
(さて、何飲むかな。)
カウンターに背を向け、「ふむ。」とつぶやく。
レイジさんやとりまる先輩が淹れてくれるカフェオレってやつは、甘くて苦くてなかなかにうまい。
けどあれは、豆の粉を紙の袋っぽい物に入れ、お湯をぽたりぽたりと落としては、待つ時間がちょっと必要だったりと、結構複雑で手順がよく判らん。
とりまる先輩は「おれがバイト先ですぐ覚えられたから、お前だってすぐに出来るはずだ」って言ってくれたけど、湯の温度がどうのこうのって、ちょっと面倒だ。
そんなふうに考えていると、
ガチャリ。
と音がした。
ドアの方へ目をやると、
「お、迅さん。起こしちゃったか?」
「いや、少し眠れないというか…」
「それより遊真、何してるんだ?」
さりげなく迅さんは話題をそらした。言いにくい別の理由があるのか?悩みでもあるのだろうか。
「飲み物をどれにするか選んでたとこ。」
「じゃあおれが用意するよ」
と迅さんは言った。
リビングの椅子に座り、飲み物をまつ。
(迅さん、なにを用意するんだろ。まえ屋上で飲んだくろいのかな)
そんなこんな考えているうちに、
「はい、おまたせ」
「…白い」
「え?」
「まえ迅さんがくれたのはくろいやつだったぞ。」
「あ〜それはココア。これはホットミルク。」
「ふむ。牛乳か。迅さんのは?」
「ん?おれのはコーヒー」
コーヒー、くろいやつだ。そういえばボスがのんでたきがする。
「林藤さんがいつも飲んでるやつ?」
「そうそう。あ、そうだ遊真。これに砂糖いれてくれ。」
「ふむ。」
(このくらいか?) とスプーン山盛りをコーヒーにいれる。
「うわーーー!!!え、おれこんな砂糖いらないよ。いいけどさー…」
「む、すまん。そうなのか。あんな一気にマカロン食べるくらいだから甘党なのかと…」
「う…なるほど。」
「おれはね お砂糖ひとさじ。次はたのむな。」
「…」
「…また一緒にのむの?」
「え、飲まないの?」
「いや…」
「の のむ。」
なんだか長い夜が楽しみになったような気がした。
「…はーおれも寝るかな。」
「もういいの?」
「あぁ、なんか眠くなっちまった。」
迅さんは少し笑いながらそう言った。悩みが少し薄れたみたいだった。
遊真と小南
「遊真ー飲み物入れるけどあんたも飲む?」
「あ、じゃあ白いの…ホットミルク」
「ホットミルクねーあたしもそうしよ。」
「…迅さんのコーヒーは砂糖ひとさじ
ボスはブラック。」
「え?」小南はきょとんと聞いた。
「よく知ってるわね、いつの間に。入れてあげたの?」
「んーないしょ」
「えーっなによ!気になるじゃない」
「ふふ」遊真は少し嬉しそうに、少し誇らしげに笑った。
「…じゃあボスに言ったら毎日頼まれちゃうかもね。」
「なんならみんなの分用意しますよ≡ε≡」
「そう?じゃあまずは入れ方とりまるに教えてもらわないとね。」
「む、険しい道のりですな。」
「1人1人の入れるものも把握しなきゃよ。とりまるは…多分ブラックね」
「ふむ。こなみ先輩は?」
「あたし?コーヒーは…飲むなら牛乳をカップ半分と、お砂糖2杯ね。」
「おお、むずかしいですな。」
「入れるのたくさんよー」
「オサムやチカにも聞かないとだな。」
「そうねぇ」
なんとなくほんわかとしたものを書きたかったのですが、心情の表現が難しく苦戦しました。
伝わってますよーにっ
初めてワートリを書いたので、解釈違いがあったらすみません。
読んでくれてありがとうございます!