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スーパーの自動ドアが開くと、冷たい空気が三人を包み込んだ。
「肉と野菜は俺が見るから、咲は調味料頼むな」
亮が手際よく分担を決めて、カートを押して歩いていく。
「……俺はどっちにつけばいい?」
悠真が小声で尋ねてきて、咲は思わず固まった。
「えっと……じゃあ、一緒に……」
そう言って歩き出したけれど、隣に悠真の気配を感じるだけで、胸が落ち着かない。
棚に並ぶ調味料を探そうと視線を動かしても、横顔が気になって仕方なかった。
「……探すの手伝おうか」
さらりと言われ、心臓が大きく跳ねる。
「だ、大丈夫です!」
反射的に答えた声が少し上ずってしまい、自分でも恥ずかしくなる。