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前回のあらすじ

虐待されていた子供二人を保護し、傷を手当した




冴(side)


グゥゥゥゥゥ

と目の前の男の腹がなった

しんみりとした空気の中いきなり大きな音がなったので男は顔をあからめて勢い良くガバッと立ち上がった

そして「もう夜だし晩御飯食べよう!二人は苦手なものとかアレルギーある?」

と質問された

俺が「二人ともない」と答えるとわかったと言って人好きのする笑顔でニカッと笑い

「美味しい飯つくってやるからな!」

と鼻歌を歌ってキッチンに行った



俺と凛(弟)は虐待を受けていた

父さんが浮気した3年前に母さんは父さんと別れた

俺達は母さんに引き取られ、いつもの明るかった顔が嘘のように暗くなった

そして次第に俺達を罵るようになってきた

お前らなんて産まなければよかった、どうしてそんな醜い顔に生まれたの、と

俺達は父さん寄りの顔だった為気に触ったのだろう

最初は言葉だけだったのに次第に暴力も振るって来るようになった

凛は泣いて「ごめんなさい、ごめんなさい」と誤った

そんな凛を庇うようにして俺はいつも殴られていた

暗い部屋で二人、寄り添いあって寝る。いつこんな生活から開放されるのだろうか?ここを出ていったとして自分達はどうすればいいのだろうか?

そんな不安にさいなまれながら毎日を過ごしていた

そのときは突然現れた

望まない形で

母さんが俺達を殺そうとしてきた

「お前らなんか!お前らなんか!4ね!4ね!4ね!」

声を荒げて物を投げた

このままだと本当に死んでしまうと思い外に逃げた

玄関をでて家の前で二人して腰を落としてしまった

凛は隣でワナワナ震え、繋いでいる手を一層強く握ってきた

本当に殺される、、でも死んでしまったほうがいいのではないか?その方が自分達は楽になれるのではないか?

そう考えてしまう自分がいた

母さんが玄関からでてきて俺達を見つけ、また暴言を吐いた

冬なので寒い雪の中

ついに手が上から振り落とされると思った時だった

男が母さんの手を掴んで危機一髪で俺達は救われた

男を見て固まった母さんはしばらくして逃げていった

男が声をかけてきた、家に来ないかと、行く宛もなく家の中もグシャグシャだったので怪しいと思いながらもついていった

家についてクッションの置かれた床に腰掛けた

俺達が借りてきた猫のように縮こまっていると、数分してキッチンに行っていた男が戻ってきた

マグカップが目の前に置かれた

中はココアだった。マシュマロが入っていて「どうぞ」と言われたので飲んだ

これで毒が入っていて死んでしまっても別にいいと思う程にはこの時精神が追い詰められていた

チョコの甘い香りが鼻を刺激する

一口飲むと心が温まった。少し気分が落ち着き、冷静になることができた

凛も俺が飲んだのをみて口をつけた

甘い、と小さい声でつぶやき目を細めたのをみて安心した

そのまま母さんの話になって、俺は色々話した

その後傷を手当してもらった

手当が終わったかと思えば男は俺達に抱きついてきた

凛以外の体温を感じるのはいつぶりだろうか…

男の太陽のような心地のいい匂いを感じ、ポロリと涙が溢れてきた

1度流れてしまった涙はとどまることを知らず、止めようと思っても次々に溢れてきた

自分よりも大きい手が頭にのる

大切なものを扱うように優しく、優しく撫でられた

この時壊れていた心臓が温かい何かに包まれていって、心の中の寂しい、苦しい、という感情がすべてどこかに行ってしまったように感じた





「ご飯できたぞ」

といい、二人の前に熱々のオムライスを置く

三人でいただきますをしてスプーンで一口すくって口に含む

トロリとした卵とケチャップライスがめちゃくちゃに合って美味しい!

今日はいつもより美味しいなと思いながら食べ進める

そんな俺をみて二人もスプーンでオムライスを食べ始めた

一口食べて目を見開きその後もガツガツと食べている二人をみてもっと食べせさせてあげたい欲が出てきたと共にご飯を食べさせてもらっていなかったのでは?と思った俺は聞いてみることにした

「ご飯ちゃんと食べさせてもらってた?」

「…1日一食でカップラーメンだった」兄の方が答えてくれた

「そ、っか」

…1日一食でカップラーメンとか健康に悪すぎる。やばいこれは、これはやばいと考えていれば弟の方が

「だからこんなに暖かくて美味しいご飯食べたの久しぶりなの。すごく美味しい!」

と満面の笑みで言ってくれた

もうこれで落ちた、完全に落ちた

この子達は俺が責任を持って育てる。うん。もう決めた。

「そういや名前聞いてなかったな

俺は潔世一っていうんだ。二人は?」

「…冴」

「俺はね、凛!」

どうやら兄の方が冴で弟の方が凛という名前らしい

俺はオムライスを食べている二人の頭を撫でながら「いっぱい食べるんだぞ〜」と言った










今回も見てくださりありがとうございました!

前回の話は潔世一は子供に懐かれやすいらしいの第一話「恥ずかしい///」の続きとなっております。

第二話は冴目線の話も出てきましたね

書いていて冴と凛が結構ひどい扱いされていたので心が痛みました…

でもそんな心も世一が救ってくれますので安心!安心!

次回はもっと糸師兄弟と世一で絡みありますので楽しみにしていてください☺

潔世一は子供に懐かれやすいらしい

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コメント

5

ユーザー

は?醜い?どこが???

ユーザー
ユーザー

天才すぎる、、尊敬様だ🤤

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