テラーノベル
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ぽろ、と落ちた涙に。
あなた自身が一番驚いていた。
「……っ、ごめ」
反射的にそう言ってしまう。
でもたっつんはすぐに眉を寄せた。
「なんで謝んねん」
「だって……」
「泣いたらあかんことないやろ」
優しい声だった。
そのせいで、余計に涙が止まらなくなる。
あなたは慌てて顔を隠そうとする。
「み、見ないで……」
「無理」
即答。
たっつんは逃げるみたいに逸らされたあなたの顔を、そっと覗き込む。
「ずっと我慢しとったんやろ」
「……っ」
「平気なふりして」
その言葉に、喉が詰まる。
図星だった。
本当はずっと苦しかった。
でも言えなかった。
「……迷惑かけたくなくて」
震える声でそう言うと、たっつんの表情が少し痛そうに歪む。
「俺、お前にそんな風に思われとったん」
「違、そうじゃなくて……!」
「じゃあなんで一人で抱えるん」
責める声じゃない。
苦しそうな声だった。
「頼ってほしかった」
その一言に、胸がぎゅっとなる。
あなたは俯いたまま、小さく呟く。
「……嫌われるかもって思った」
「は?」
たっつんが固まる。
「こんな重いの見せたら、たっつん困るかなって……」
最後まで言い切る前に。
ぐい、と腕を引かれた。
「え——」
気づけば、たっつんの胸に抱き寄せられていた。
「そんなんで嫌うわけあるか」
低い声が、すぐ頭の上から落ちてくる。
「むしろ一人で泣かれる方が嫌や」
背中を撫でる手が優しい。
でも少し震えていて。
たっつん自身も、かなりギリギリなんだと分かった。
「……なんで言わんかったん」
もう一度聞かれる。
今度は怒ってるんじゃない。
本当に心配してる声。
あなたはたっつんの服をぎゅっと掴んだ。
「……怖かった」
ぽつりと本音が零れる。
「嫌われるのも、否定されるのも……全部怖くて」
「……」
「でもたっつんには特に嫌われたくなかった……」
その瞬間。
抱きしめる力が少し強くなった。
「アホ」
小さく呟く声が震えている。
#他YouTube出る可能性大
「俺がお前嫌いになるわけないやろ」
涙でぐしゃぐしゃのまま顔を上げると、たっつんは本当に苦しそうな顔をしていた。
「そんな不安になるまで追い詰められとったんか……」
その顔を見た瞬間。
あなたは初めて気づく。
一人で抱え込んでいた間、苦しかったのは自分だけじゃなかった。
たっつんもずっと、あなたの“無理してる笑顔”を見て苦しくなっていたんだと。
するとたっつんは、そっとあなたの涙を拭った。
「……もう無理すんな」
「……っ」
「お前が泣きたい時は、俺の前で泣け」
真っ直ぐな声。
逃げ道を塞ぐみたいに優しい。
「一人で壊れそうになる前に、俺んとこ来い」
その言葉に。
あなたはとうとう声を上げて泣いてしまった。
たっつんは何も言わず、ただずっと抱きしめ続けてくれた。
コメント
1件
もう、この回は本当に胸が苦しくなりました……。「なんで謝んねん」って言われて初めて、自分がずっと謝りながら生きてたことに気づかされる感じ、すごくリアルでした。たっつんが「頼ってほしかった」って言うシーン、あれまでずっと伏線として張られてた“無理してる笑顔”がここで回収されるんですよね。関西弁の優しさがまた沁みます。一人で泣かれる方が嫌、って台詞、完璧だと思います。